松沢呉一のビバノン・ライフ

本日からタバコは値上げ/ドイツの総選挙で触れ忘れていたこと—ここまでの補足をいくつか-(松沢呉一)

 

今日からタバコは値上げ

 

vivanon_sentence禁煙して1週間経ちました。まだ吸いてえ。松沢式禁煙法で、最初はメチャ楽だったのに、今はキツい。葉っぱの入っていないパイプを今も口にくわえています。

つっても現に吸わないで済んでいるように、我慢できる程度ですけど、夜の繁華街を歩いていたら、えれえ美形で、スタイル抜群のガールズバーの客引きが腕をつかんできて、オッパイをグイグイ押し付けながら、「一本どう?」ってタバコを差し出してきたら、間違いなく吸います。汚いオッサンが勧めてきても一緒なので、美形もスタイルもオッパイもガールズバーも関係ないですけどね。

すでに体の中からニコチンは抜けているはずなのに、それでも吸いたいってことは、ニコチンの依存ではなくて、タバコに対する精神的依存です。それだけタバコはうまいのです。おいしいラーメンを食べたらまた食べたくなるのと一緒です。

ラーメンは脂肪分、塩分、カロリーともに高めで体に悪いといくら言われても、おいしいもんを食べずに長生きするより、おいしいもんを食って寿命が縮む方を選択する人間がいてもいいでしょう。食通と言われる人たちはたいていそうでしょう。

禁煙を勧める人たちは「タバコをやめれば10年で車を買える」なんて言いますが、バカか。「車なんていらないからタバコを吸いたい」って人がいることを想像もできんのか。車は人を轢くんだぞ。

池袋母子死亡事故の被告を見ろ。賠償金を支払い、社会的信用を失い、世間から罵倒され続け、刑務所に入れられるよりタバコを吸っていた方がええじゃろ。

その上、気象変動がこれだけ問題になっているのに、今なお大半の車はガソリンや重油を使って排ガスを出します。タバコもCO2をちょっとは排出しますけど、昨今は燃焼させないタバコも出てますから、地球に優しい。

今日から値上げということで、昨日、タバコ屋の前を通りかかったら、店の前にある喫煙所に人がいっぱいおりました。値上げ前に買いに来て、ついでに一服していく人たちでしょう。あんな無謀な値上げを強いられてもなお吸い続ける皆さんは意思の強い人たちです。私は挫折しましたが、皆さんは頑張ってください。とエールを送りながら、知らん人のタバコの煙を無断でご相伴させていただきました。

しかし、昨今は煙の出ないタバコなんてものを吸っている人も多くて、世知辛い世の中になったものです。「どっちだよ」って感じですが、どっちでも好きな方を吸えばよい。

 

 

ドイツ総選挙の補足

 

vivanon_sentence9月の「ビバノン」は計49本更新。1日1.6本平均の更新ですから、まあまあ優秀。

アクセスでは「発作的に禁煙しました—ある種の人々にとって絶大な効果のある禁煙法を実践した[上]」がもっとも多かったんじゃないかな。これ以降の禁煙ネタはたいしたアクセスではなかったので、これ以上続けるつもりはなくて、10月1日はタバコ値上げの日ってことで、軽くケアをしておきました。

ケアしておきたいことは他にもあって、ドイツの総選挙なんてどうでもいいでしょうけど、書き忘れてていたことがいくつかあります。

メルケルの人気が落ちたためにドイツキリスト教民主同盟(CDU)の得票が落ちたとは単純には言えず、人気のピークは過ぎたにせよ、メルケルはなお人気があります。

この点は見習うべきかと思いますが、「メルケルは支持するが、CDUは支持しない」という人たちが相当数いるのです。個人と所属する政党を分けています。私も「自民党は支持しないけれど、野田聖子はわりと評価できる」と考えているのと同じ。「自民党は支持しないけれど、ロックダウンできる法整備を菅義偉が否定したのは支持できる」と同じ。

 

 

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