ラーメン屋の場合—働いている職場での不正にどう対処すべきか・住んでいる場所の不正にどう対処すべきか[1]-(松沢呉一)
そうは思えないでしょうが、「中国批判ができない韓国のエリートたち—おそらく日本も一緒」から続いています。
「麺匠 八雲」の騒動
元バイトAKBの梅澤愛優香って人の経営するラーメン屋をめぐる騒動は軽くチェックしてました。セクハラだの誹謗中傷だのの被害に遭って毅然とした態度で訴訟を起こすということで、メディアも彼女に同情的でしたが、私はそもそもバイトAKBというのがなんなのかもよくわかっておらず、どうでもいいっちゃどうでもいい。
「麺匠 八雲」の現・本店が葛飾区堀切にあると知ってちょっと気になったくらい。堀切菖蒲園に行ったらシーズンではなかったので、なんも楽しくなかったのが私の思い出。ここから小菅までの流れがわりと私は好きですけど、商売をするには地味な場所なのです。交通量が多いってわけでもない。家賃は安いでしょうから、元アイドル、元バイトAKBという話題性で客を呼べるって計算なのかと思いました。
銭湯めぐりで東京の隅々まで歩いたので、地名が出てくると、どんな場所かすぐにわかるのですけど、それを役立たせる機会がなく、今回は少し役立てられてよかったなと。
その後、「週刊文春」が産地偽装や金のトラブルを取り上げて、同情的な空気が一変した感があります(この舞台は堀切の本店ではなく、神奈川県大和市の店)。
2021年10月17日付「週刊文春 電子版」
飲食店の産地偽装をどうとらえるのか
私は引き続きどうでもいいのですけど、この件はこのところずっと考えていることと重なりがあります。
そもそも産地までをすべて明示している飲食店はそれほど多くはないですけど、細かく表示していればしているほど、ある食材の「いつものヤツ」が入荷せず、やむなくその日は近所のスーパーで調達した場合、そのことを説明しない店はざらにありそう。
もっと悪質な店も実際にあって、大々的ではないながら「当店ではすべて国産の材料を使用しています」と銘打っている店が、冷凍の輸入ものを使用していたりします。根拠があって言ってます。「国産だから」で通っている人は怒るかもしれないけれど、一部にそういうものがあっても、大半の客は「おいしければ問題なし」でしょう。
そういう客であれば、店としてもあまり罪悪感はない。客がそのことに気づいても、他に何かない限り、それを公然と糾弾するなんてことはまずない。その程度のものだろうと思います。
しかし、「麺匠 八雲」の場合は、材料にも細心の神経を使っていることをアピールしていたため、産地偽装はまずかったですね。しかも、やむなき使用ではなく、近所のスーパーから日常的に仕入れていたと。
梅澤愛優香さんは素直にこれを認めて店のサイトに【メニュー表示と異なっていたことに関するお詫びとご報告】をすみやかに出し、返金にも応じています。
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