松沢呉一のビバノン・ライフ

「鼻の奥が痛い」「目の奥が痛い」「顔の奥が痛い」—歳をとると転びやすくなる件と副鼻腔炎の表現について-(松沢呉一)

 

歳をとると平衡感覚が狂う

 

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副鼻腔炎が長引いていたため、複数の方からの電話やメールをいただきました。ご心配をおかけしましたが、先週の段階であらかた症状は弱まるか、なくなってまして、最後まで残っていた鼻の奥のヒリヒリした痛みもさらに和らいでいるので、このまま治る見込みです。あくまで私の見込みですが。

急に熱が出たのは11月27日でしたから、1ヵ月近くかかりましたが、急性から慢性、あるいは亜急性に移行することは避けられた模様。長引いたのは、長引くことがそれなりにある病気であるとともに、やっぱり歳のせいじゃないかな。人類が終盤に差し掛かってあっちもこっちもガタが来て、どうにもならなくなっているのと一緒です。

人類のバランスがおかしくなってきているように、人は歳をとると体のバランスが悪くなってきます。まっすぐ歩いている分にはいいのですが、振り返ったあと、元に戻って正面を見て歩き続けようとする時にふらついて、時に転びそうになります。

転びそうになるだけで、転ぶことはめったにないのですが、昨日スーパーに行ったら、入口の段差でつまずきました。段差を上がるのに必要な15センチに2センチ足りなかった感じです。その目測を誤ってつまずいたあと、体のバランスを保てず転倒。めったにないことが起きました。

しばらく家から出ないことが多かったために体がなまったとも言えますが、そのあとスーパーから帰る途中で、路上でじいちゃん2人が立ち話をしてまして、「年々足腰がダメになる」という言葉が聞えてきました。

※一般社団法人・日本耳鼻咽喉科学会「健康寿命への挑戦」 老化とともに平衡感覚が悪くなる理由がまとめられていて、大きく体の平衡感覚は「目から入ってくる情報」「重力や加速、回転などを感知した耳からの情報」「自分の体がどのように動いているかを感知する足の裏の感覚」によって成り立っていて、二番目は三半規管と前庭という器官が司っていて、これは耳鼻咽喉科の範疇ですが、足の裏の衰えも大きく関与しているらしい。私の衰えは全部かな。

 

 

蓄膿症は減っているのか否か

 

vivanon_sentence私の症状は終わりかけですが、副鼻腔炎に付随して書いたことで訂正しておかなければならないことがあります。

PCR検査を受けて、もう陽性だったら宿泊料用しようと思ったと書きました。感染している人が激減しているので、空いているだろうと思い込んだための記述ですが、現実には私がPCR検査を受けていた頃、ベッドは飽和状態だったようです。

発症している人は減っていても、オミクロン変異体によって帰国や入国の人の隔離数が激増していたためです。もし私が陽性で、いざ宿泊施設を利用しようとしたら、どっかで気づいたでしょう。そしたら宿泊施設を利用することは控えましたが、ともあれ間違ったことを書いていたので訂正しておきます。

また、すでに訂正済みですが、薬が発達して子どもの蓄膿症が減っているかのようなことを書いたのも間違いでした(と言えるのかどうかまだはっきりしていない)。医者がそう書いていたので、信用してしまいました。

 

 

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