タコが高騰してたこ焼きが食えなくなる時代を見据えて代用品を探す試み—友だちが自殺したことのショックをたこ焼きで乗り越える-(松沢呉一)
「カップヌードルの値上げも気候変動の影響—タコの高騰がどうなのかははっきりしない」の続きです。
たこ焼きパーティのおさらい
昨日は「ビバノン」をお休みしました。疲労困憊していたためです。
なぜそうも疲れ果てていたのかの事情はまた改めて書くとして、にせぽよが落ち込んでいるというので、夜はモダンフリークスでたこ焼きパーティでした。
このメンツでのたこ焼きパーティは3回目です。
日本のタコ需要を満たしてきたモーリタニアでタコが不漁で、今やタコの末端価格は、100グラム400円台まで高騰し、和牛と価格が変わらなくなってきています。いずれたこ焼きが8個で千円の時代になることを見越して、我々はその代用品を求めてきました。
1回目の優勝はツナ缶でした。たこ焼きはマヨネーズを使うため、ツナマヨです。これは鉄板。
2回目はサーモンの香味焼きが優勝でした。惣菜として売られていたもので、まんまご飯と食ってもうまいことは間違いなし。でも、味付けのないサーモンでも十分うまいだろうと思います。
タコの流れから、海産物は無理がなく、ここから外れすぎると、おいしくても別物になってしまって優勝はしにくい。たとえばチョコも悪くはなかったのですが、お菓子ジャンルに移行すると受け付けなくなります。
海産物の難点は、ウニにせよ、イクラにせよ、ロシアから入ってこなくなって高騰しつつあることです。ノルウェー産サーモンもロシア上空を航空機が飛べなくなったため、輸送費が高くなってきています。それでもタコほどではなく、十分代用品になります。
肉もイケるものが多くて、第2回はモツ煮と鶏そぼろもうまかったです。
上位に残るのは味が濃いか、食感が強いことが条件になりそうです。マヨネーズとソースの味が強いので、インパクトのない食い物は負けてしまう。マヨネーズとソースをつけなきゃいいんですけど、それもまた別物になりそそうです。
もうひとつ意外な条件がありました。コーンもおいしかったのですが、コーンはチープすぎて主役になれない。その点、タコは絶妙です。庶民的でありつつ、正月に食うくらいで、高級感があります。この高級感に拮抗できる存在であることが条件です。
さて、今回のバトルやいかに。
※にせぽよがうずらの卵を入れているところ。まんまだと大きすぎるので、ふたつに割ってます。うずらは思ったほどの存在感がないので、味付け卵にした方がいいと思います。
タコの代用品候補のトップが決定
小麦粉、タコなどの基礎品目はにせぽよが担当、マヨネーズ、ソースなど付随品目はモダンフリークスにあったもの、それ以外の勝負品目は私が買っていったのですが、今回もっとも期待していたクリガニは食べる前に脱落しました。モダンフリークスに行く直前に買ったのに、買っていったカニが臭いと福田君が言います。
「煮れば消えるよ」と言ったのですが、煮ても臭かったので全部捨てました。クリガニは足が小さくて肉は使いにくいのですが、ミソがおいしい。味噌汁にでもすればいいやと思ったのですが、あのニオイでは味噌汁も無理。
そもそも福田君は痛風だし、私も痛風予備軍なので、カニミソは避けた方がよく、だったら買うなよってことです。こんなことならカニカマにすればよかったのですが、前回、エビが敗退しているので、カニも試しておきたかったのです。前回エビが敗退したのは、エビの質の問題かもしれない。安いエビを買ったので味が弱すぎました。なお、種類によりますが、エビも痛風にはよくない。
カニと同じくらい期待していたのはホタテです。私はホタテが大好きなものですから、試さないではいられない。稚貝の冷凍を買いまして、湯を通して貝殻を外しやすくして使用。この時の煮汁は出汁が出ていて、スープにしたらメチャうまかったのですが、肝心のホタテはおいしくありませんでした。磯の香りが強すぎるのです。スープではその香りがおいしさになるのに、なんでタコの代わりだとあの香りがマイナスに転じるんだろ。味が濃くても勝てないものがあります。
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