松沢呉一のビバノン・ライフ

石田将也ADHD説—公開から6年経って観たアニメ「聲の形」[とりこぼし編 上]-(松沢呉一)

「聲の形」シリーズの付録編です。

 

 

銭湯・水門の里のモデル

 

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ストーリーに沿って私が気づいたことはだいたい書きました。あとは、ここまで組み込めなかったいくつかのポイントについて触れて終わりとします。

まずはこれ。

 

 

重要な役割を果たすわけではなく、一瞬出てくるだけですが、銭湯・水門の里です。こんな屋号の銭湯は実在しません。

岐阜県には組合銭湯が16軒あります。いかに減ったと言えども、なおいたるところに銭湯がある東京や大阪、京都からすると、人口200万人の岐阜県全体で16軒しか残っていないのは淋しいですが、東京、大阪、京都が特殊であって、岐阜が全国標準と言うべきでしょう。

うち大垣市には3軒あります。人口16万人の 都市で3軒は県内でももっとも多い地域かと思います。

地方都市で組合銭湯が減ったのはスーパー銭湯に客をとられたためで、大垣市にもスーパー銭湯が同程度ありますが、この絵の通りだとすると、水門の里のモデルは組合銭湯でしょう。

首都圏では、外の出入口の段階で男湯・女湯に分かれている銭湯は相当に珍しいですが(ほとんどの銭湯は靴を脱いでから分かれるか、待合室を通ってから分かれる)、地方都市ではたまに見ます。

組合銭湯のリストにはそれらしき銭湯が見当たらないのですが、「聲の形」巡礼マップによると、大垣市花園町の恵比寿湯ってところらしい。

以下はGoogleマップより。

 

 

 

漫画の印象とは違って、あんまり風格みたいなものはないですが、よく見るとたしかに似てます。

これは2014年12月撮影。雪が少し積もってます。ところが、現在地図には見当たらない。どうやら廃業した模様。

出入口が男湯・女湯に分かれている銭湯は、岐阜県内には他にもあります。

以下は美濃加茂市の音羽湯

 

 

これはいいなあ。関東の銭湯では見ないよろず屋のような外観。これは行ってみたくなる。他にも岐阜にはいくつか魅惑的な銭湯があります。

 

 

植野のダサいTシャツが意味すること

 

vivanon_sentence以下は学祭で皆のやりとりを脇で聞いていて鳥肌が立ったところの植野です。

 

 

 

 

彼女は太陽女子高校のデザイン科に通っています。グラフィックではなく、ファッション系のデザインです。そこの生徒が他校の学祭に行くのに、なんでこんなTシャツ姿なんだ? 下はジーンズ地っぽい茶色い短パンです。寝坊して、起きた格好のまんまか?

他校の学祭に行く女子高の生徒は9割方パートナー探しですから、最低限のオシャレをするってもんです。植野の場合は他校とのタイマンが目的か。

このような袖の色が違うシャツは誰かが着てたなと思ったら、小学校の時の佐原です。

 

 

 

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