松沢呉一のビバノン・ライフ

Colabo批判派と擁護派の中身—Colabo✖️暇空茜[傍流編11]-(松沢呉一)-[無料記事]

住民監査請求の結果を新聞が報じたのはいいけれど—Colabo×暇空茜[傍流編10]」の続きです。

 

 

「炎上分析」を読む

 

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この問題を知って半月しか経ってないので、Colaboがどのように炎上していったのか、くっきりとはとらえられていないのですが、この記事が大いに参考になりました。

 

2023年1月4日付「YAHOO!ニュース

 

以下がまとめ。

 

・Colaboの炎上を分析したところ,反Colaboクラスタのほうが圧倒的に拡散していた

・反Colaboには保守系のアカウントが多く,Colabo擁護クラスタには共産党系のアカウントが多い.

・一部のアカウントの頑張りが通常よりもすごい.

 

一つ目のポイント。拡散全体の46.1%が反Colaboクラスタ、4.3%がColabo擁護クラスタ。10対1以上の開きです。

Colaboツイートが飛躍的に拡散されたのは11月末であり、「Colabo側が記者会見を行ったことによって逆に批判が拡散した」点に注目(カッコ内は原文ママ)。あの記者会見をメディアが取り上げ、今まで知らなかった人たちまでが知ってしまい、ここで知った人たちは記者会見を批判的に受け取った人が多く、その際に、神原元弁護士の「リーガルハラスメント」発言だったり、角田由紀子弁護士のAV発言だったり、ツッコミどころが多かったってことかと思います。

記者会見がいい効果を生むこともあるかもしれないですが、今回に関してはColabo側の大失策でした。手遅れですけど、前から言っているように、裁判を起こすんだったら、場外乱闘を避けた方がいいと思うなあ。まっ、好きにすればいいですけど。

ちなみに私はこの時点でも、ウクライナやロシアやラトビアについて調べることで忙しくて、全然このことを知らずにいました。

 

 

Colabo批判クラスタと擁護クラスタの「支持政党」

 

vivanon_sentence続いて二つ目のポイント。両者の政治的姿勢について。

 

 

 

 

左の数字はパーセンテージです。

 

Colabo擁護クラスタの77.5%が共産党を応援するツイートを拡散したことがあることがわかりました.仁藤氏が共産党に近いかどうかは知りませんが,Colabo擁護クラスタの多くのアカウントが共産党を応援するアカウントであるといってよさそうです.ちなみに,Colabo擁護クラスタの85%が自民党批判ツイートを拡散しているので,共産党系というよりは反自民党系というほうが正しいかもしれません.

一方,反Colaboクラスタはネトウヨかというところで分析すると,反Colaboクラスタの59.3%が自民党を応援するツイートを拡散しており,39.5%が共産党批判ツイートを拡散しています.この点から,ネトウヨかどうかまではわかりませんが,反Colaboクラスタは保守系アカウントが多いということがわかります.

 

反Colaboクラスタの「自民党支持(支持とまでは言えないかもしれないですが、ここではわかりやすく「支持」とします)・共産党批判」よりも、Colabo擁護クラスタの「共産党支持・自民党批判」の方が数字が高い。Colabo擁護クラスタの77.5%が共産党支持、85%が自民党批判層です。対して反Colaboクラスタの自民党支持率は59.3%。

昨年11月のNHKにのよる支持政党の世論調査で、共産党支持は3.2%ですので、Colabo支持に占める共産党支持率は猛烈に高い(同調査で自民党支持率は37.1%)。

「共産党とつながりの強い仁藤夢乃さん」というフレーズに反発したためもありましょうけど、現に共産党とつながりが強いためでしょう(自分の支持政党に近い人を擁護するってことであり、必ずしも悪いつながりを意味しているわけではないです)。また、Colabo擁護クラスタは絶対数が少ないため、特定層に留まっているためでもありましょう。記者会見をやってメディアが味方についたのにね。

対して反Colaboクラスタの4割強は自民党支持とは言えず、6割は共産党に批判的でもない。これは話題が大きく広がって、ふだん政治についてのツイートをしない層に反Colaboクラスタが広がっていることを示していそうです。

 

 

温泉むすめ・統一協会・Qアノン

 

vivanon_sentence続いて「温泉むすめ」との関係。

 

反Colaboクラスタの25.7%が温泉むすめ炎上時に批判する人たちを批判する「批判の批判」クラスタに所属していたことがわかります.一方で,Colabo擁護クラスタの26.2%が温泉むすめ批判系ツイートを拡散していましたので,温泉むすめというコンテンツとの関係性は強いように思われます.とはいえ,温泉むすめを応援するクラスタのツイートを拡散していたアカウントはほとんどいない(4%未満)ので温泉むすめというコンテンツを好んでいた人たちがColabo批判を行っているわけではないということもわかります.

(略)反Colaboクラスタの46%が反フェミニズム系ツイート拡散したことがあり,Colabo擁護クラスタの49%がフェミニズム系のツイートを拡散したことがあることがわかっています.

 

暇空茜の行動の始まりが「温泉むすめ」にあったことは私もわかってますが、「温泉むすめ」がなんなのかまでは把握できていません。内容まではわかっていないですが、批判されたために、もともと「温泉むすめ」に関心があったわけではない層までが反発したことが推測できます。内容までわかったら、私も反発しそうです。

それでも「温泉むすめの批判の批判」をリツイートしたのは25.7%しかいないので、そこと結びつけていない人たちの方がずっと多い。もはや表現規制反対派でさえ反Colaboクラスタの少数派なのかも。

「反Colaboクラスタの46%が反フェミニズム系ツイート拡散したことがあり」という点は注意が必要。今度改めてやりますが、暇空茜は「なりすましのフェミ騎士」を追ってましたし、この問題を扱っているYouTuberは反ツイフェミであっても、フェミニズム総体を否定している人は見当たらないです。いるとは思いますが、目立ちません。

私が糞系フェミを批判しているのと同じ。宮台真司がバカフェミを批判しているのと同じ。これらを全部まとめて「反フェミニズム系ツイート」としているわけで、これもって「反フェミニズムが46%」とすることは無理があります。

 

反Colabo派は統一協会系だの、Qアノン系だのと言われている件についての数字も出ています。

 

統一教会系であるとか,Qアノン系であるという言説も一部ではみられるようですが,統一教会系クラスタによるツイートの拡散はほぼ見られませんでした.一方で,反Colaboクラスタの9%程度がQアノン系クラスタのツイートを拡散していたことがわかりました.なお,Colabo擁護クラスタでは1.8%です.割合として多いのかといわれるとそんなことはありませんが,一部のQアノン系クラスタの43.9%が反Colaboクラスタに所属していたりするので,反Colaboクラスタが陰謀論系のアカウントを引き寄せている可能性はありそうです.ただし,反ColaboクラスタがQアノンだというわけではありませんので,その点はご注意ください.

 

統一協会系という話がどこから出てきたのか知らないですが、これこそ陰謀論。

また、両者の比較として反Colabo側の方がQアノン関連のツイートを拡散していたのが多くても、9%程度なので(十分多いとも言えますが)、特に強いつながりがあるとは言えない。

三つ目のポイントである「一部のアカウントの頑張りが通常よりもすごい」という点は、「どちらのクラスタも少数のアカウントの頑張りによって拡散のほとんどが占められている」とのことですが、だからなんなのか私にはわからないので、省略。

 

 

以上です。反Colaboクラスタは、今なお拡散しているので、全体を一言でまとめるのはもう無理です。表現規制反対派やオタクでさえない人たちが数の上での主流になっていそうです。

 

 

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