今年は熱中症の死者数で記録達成か—ヨーロッパでは昨年6万人以上が熱中症で死亡-(松沢呉一)
PFASより熱中症が怖い
こびりつかないフライパンに使われていたPFASが人体に悪影響があるとされて使用されなくなったことは知ってましたが、それが井戸水に混入していることは知らなんだ。
井戸水を使用していることを売りにしている銭湯がよくあります。飲用には適さない旨が書かれていたりしますし、少々飲んだところで問題はないでしょうが、今も井戸水を使用している家庭は毎日のことですから、ちょっと心配ですわね。
でも、短期で悪影響が出るようなものではなさそうです。高年齢の人たちが言うように、私もそんなに先はないので、全然気にならんな。
そんなことより熱中症の方が怖い。死んでいるのは8割以上が65歳以上ですけど、この間、山形県で中学生が死んでますし、例年、乳幼児もけっこう死んでます。車の中に放置するようなケースばかりではありません。とくに今年は電気料金が上がって、節約しようとして室内で熱中症になる人が多いのではなかろうか。
熱中症死亡者と新型コロナの死亡者はほぼ並んだ
熱中症は今に始まったことではないと思うところですが、以下のグラフを見てください。
日本医師会「豪⾬災害と熱中症について 2023年7⽉26⽇記者会⾒」より
熱中症の死亡者数はどういうもんか年による増減が激しいので、全体を均すため、各年とも、それまでの5年の平均を出したグラフです。
15年前までは年間300人程度だったのが、今は千人以上死んでます。7月8月に集中していますので、1日平均20人以上死んでいることになります。今も新型コロナで連日死亡者が出ていますが、この2ヶ月に関して言えば熱中症の死亡者とほとんど同じくらいです。どちらも高年齢が中心とは言え、熱中症の死亡者は年齢の幅が広いので、より深刻かもしれない。
とくに今年は昨年に比して、救急搬送の数は2倍以上になっていて、死者数はこれまでの最大数になりそうです。PFASより怖いべ。
それでも今はまだマシかもしれず、これから先、気温が上昇し続けるので、死者数も上昇し続けます。地球沸騰時代の幕開けてす。
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