VTuberはやっぱりスキャンダルに強い—終わった人々[後編]-(松沢呉一)
「終わった叶井俊太郎、終わらないまふまふとみけねこ—終わった人々[中編]」の続きです。
改めてまふまふとみけねこの件
まふまふとみけねこ(潤羽るしあ)の泥沼スキャンダルの記事を読んで「まずい」と焦りました。VTuberのスキャンダルは話題になりにくいと書いた責任上、これにも触れざるを得ないと思いつつ、ここまで至ってしまいましたが、この機会に取り上げておくことにしました。
VTuberの色恋沙汰を「女性セブン」のような一般誌が大きく取り上げたことは初めてでしょう。
しかし、相手はまふまふです。お茶の間に浸透している存在とまでは言えずとも、紅白歌合戦出場歌手です。石川さゆりや氷川きよしと並ぶ存在です(どちらもまふまふが出た2021年の出演者)。もしみけねこの相手が無名な会社員であれば、こうはなってない。
事実、「女性セブン」の記事は、まふまふをメインにした内容であり、仮にまふまふの相手が無名の会社員でも同じような記事が成立しますが、逆は成立しない。
その「女性セブン」の記事が出て以降、ネットニュースでは後追いが出てましたし、VTuberやサブカルを追っているYouTuberやブロガーが盛んに取り上げていましたが、後追いした一般メディアはないのではなかろうか。紅白歌合戦出場歌手というだけでは、さらに深掘りするほどではないと判断したのはわからないではない。
つまり、まふまふでさえ、お茶の間のニュースバリューはそこ止まりであり、ましてVTuberは「理解している人・関心のある人」と「理解していない人・関心のない人」との間に大きな溝があって、前者の理解度・関心度を10とすると、後者はゼロ。
前者の人々たちは、「女性セブン」でいよいよ興味を掻き立てられたわけですが、お茶の間仕様のテレビはもちろん、雑誌も取り上げない。それをネットメディアが拾って盛り上がる構図です。
✳︎2024年25日付「音楽ナタリー」 まふまふが参加するそらまふうらさかが2月17日・18日にKアリーナ横浜での講演を成功させたという記事。まふまふは凶悪なみけねこの被害者として認識した人が多そうで、あまりダメージを受けてないように見えます。ファンを騙していたという意味では同じですが、みけねこのやっていたことがひどすぎたのと、まふまふ自身、お茶の間の話題になりにくいことがよかったか。
インターネットでは松本人志はVTuberに勝てない?
インターネットが浸透して四半世紀、それまでも存在していたオタク層が拡大しながら、お茶の間との間の一線は維持されていて、10対0の存在がインターネットには溢れています。
例えば、プラスマイナス岩橋が生中継をやれば、同時接続数は数万に達しましょうが、人気VTuberだったら同接数が数万になるのは珍しくないし、10万を超えることもあります。国外にもファンもいるためでもありますが、切り抜きの人気も高く、腐らない内容だとずっと観られ続けて、配信のアーカイブの再生回数が100万を超えます。
松本人志が生配信をやっても、人気があるのは最初だけで、1ヶ月もすると、VTuberには勝てないかも。
つまり、お茶の間に認知されている存在と認知されていない存在はすでに拮抗していて、人気の点では後者の方があったりする時代です。
私は昨年、連日数時間、ホロライブに費やしていたので、まふまふとみけねこの話題は衝撃だったわけですが、だいたいいつも似たようなものに関心を抱くモダンフリークスの福田君は関心ゼロ。ここでも10対0。
私は福田君にこう言いました。
「だからよ、ビバノンでVTuberのことを書いても誰も読まんよ」
「そりゃそうでしょ。遊廓や赤線について書いていたのに、VTuberについて書かれても」
「そうなんだよ。VTuberについて知りたいんだったら、もっともっと詳しい人たちがいっぱいいるから、新参者のオレの書くことなんて読まないとオレでさえ思うよ」
私が書いたVtuber関連の記事でもっとも読まれたのはハコス・ベールズがオーストラリアから日本に移住することを発表したことを受けて書いた「ホロライブEN勢が続々日本に移住か—興行ビザから帰化は難しく、金があれば経営・管理ビザから帰化する手もある」です。
最近になって、またアクセスが増えていて、たぶん数日前にホロライブENのふわもこの2人が日本に住むと発表したためでしょう。
双子で同じ枠という存在は面白いと思いつつ、私はふわもこをそんなにチェックしていなかったのですが、日本に引っ越すことを発表した歌枠を観たら、前より2人のしゃべりがよくなっているように思いました。元々コンビネーションがいいに決まっていて、その本領が発揮されるようになった印象です。
なお、2人はこの日、BiSHの「オーケストラ」を歌ってました。
✳︎ふわもこのXアカウントより
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