「ロンドン難癖中国人事件」と松下新平参院議員に見る中国共産党のスパイ術—呆れた政治家と候補者が相次ぐ日本-(松沢呉一)
改めて「ロンドン難癖中国人事件」
法輪功系の大紀元が「ロンドン難癖中国人事件」についてのまとめを出してます。
「小粉紅が世界を呆れさせた」シリーズでは、中国人の登場人物を英表記にしていましたが、漢字表記がわからない人物がいたためです。この動画でやっと中国名がわかりました。Newton Lengは冷雪年、Adelina Ning Zhangは張寧、Mengying Liuは劉夢英です。Christine Leeは英国籍のためか、ここにも中国名は出てきませんので、彼女だけはクリスティン・リーとしておきます。
後半は、クリスティン・リー弁護士が中国共産党のスパイであるとの見方についての詳しい事情が続きます。前に書いたように、クリスティン・リー弁護士は、かのじょ英国公安局を訴えていて、判決がまだ出ていないのですが、彼女の主張は、「違法性はない」という内容だと思われ、中国共産党のために尽力してきた、あるいは中国共産党の命で動いてきたことに疑いはなさそうです。
そんな人物があの場にやってきて、「私が裏で操っているのがバレると裁判にも影響しかねないから、あんたたち、中継を止めさせてちょうだい」と命じ、子分たちはそれまでの態度を豹変させて、共産党をバックにして高圧的に「カメラを止めろ」と命じ、従わないので大声で恫喝し、体を触ったと虚偽を言い、差別だと騒いだと。サイテーのヤツら、サイテーの国家。
中国共産党中央統一戦線工作部の「千粒の砂」戦略
相手を従わせるために大声で恫喝し、虚偽を言い、差別だと騒ぐのは中国政府がよくやっていることですが、この手法は国民にも浸透しています。これについてはまた改めてやるとして、この騒動で怖いのは、動画の中で説明されている中国共産党中央統一戦線工作部による「千粒の砂」です。
私らがイメージするスパイは冷戦時代のもの。中国やロシアは、訓練された諜報員が外交官やジャーナリストとして入国し、自身が諜報活動をやり、また、プロを使って情報を集め、捕まりそうになると、本国に逃げ帰る。しかし、今は、多数の情報提供者を様々なところに潜入させ、あるいは情報を持っている人物に取り入る手法を使ってます。
以下は日本の警察庁による分析。
中国は、科学立国の建設のためには、我が国からの技術移転が必要不可欠と認識しており、先端科学技術の習得のため、多数の学者、技術者、留学生、代表団等を我が国に派遣し、多面的かつ活発な情報収集活動を行っているものとみられます。また、これらの目的で来日した中国人、在日中国大使館員等を介して、我が国の技術者等に対する幅広い工作を活発に行っており、我が国からの技術移転の拡大を図っているものとみられます。
しかも、中国の情報収集活動は極めて巧妙であり、多数の中国人が、断片的で些末であると思われる情報を収集していることが多いため、情報収集活動が行われていることが認識されにくいという特徴があるとみられます。
——警察庁「中国による対日諸工作」より
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