▽[殺し屋日記] 柳下毅一郎の5/16~29 『ノア 約束の舟』『男の勝負 仁王の刺青』『グランド・ブダペスト・ホテル』『ホットロード』『北陸代理戦争』『ポケットの中の握り拳』
5/16(金)
鈴木則文監督が亡くなられたので、吉祥寺のカソリック教会でお通夜。
監督、亡くなられる前に、洗礼を受けてらしたのだとか。
式後、西荻窪の監督行きつけの飲み屋で痛飲。
5/17(土)
告別式。
5/19(月)
パラマウント試写室で『ノア 約束の舟』。
まあ根本的なところで、旧約聖書の人間の行動を現代人にもわかるように合理化しようというのがそもそも無理なのではないか。
5/20(火)
ラピュタ阿佐ヶ谷で『男の勝負 仁王の刺青』。
よりによって則文さんが亡くなったタイミングでの上映。ずっと観たかった映画ではあるが。
その後阿佐ヶ谷の飲み屋でしんみりと飲む。
5/21(水)
新宿武蔵野館で辻仁成監督作品『覚めながら見る夢』。
いやー辻仁成はわからん。オレ辻の映画はけっこう見てるほうだと思うが、何本見てもわからない。
夜、ひさしぶりに新宿御苑前の「浮かぶ」へ。諸事情でご無沙汰してたので、久々で楽しい。
5/22(木)
20世紀FOX試写室で『グランド・ブダペスト・ホテル』。個人的には今でもウェス・アンダーソンの最高傑作は『ファンタスティックMr.Fox』なのだが、これはそれに次ぐ、ひょっとしたら匹敵するかもしれない。
銀座テアトル試写室で『NO』 なんとなくドキュメンタリーだと思っていたのでちょっとびっくり
5/26(月)
新宿バルト9にて『キカイダーREBOOT』。
劇場にキカイダーさんがいた。
5/27(火)
松竹試写室にて『ホットロード』。『ホットロード』については、誰ぞの漫画評論でへえと思った点だけ記憶していて、それはセリフを吹き出しから開放した、ということである。絵に主人公の独白とも内的描写ともつかないものがついており、どこまでがセリフで、どこからが内的独白なのか判然としない。少女漫画が少女の内的世界の表出であるのだから、内世界と外世界が渾然一体となった世界は必然なのである、ということだった。
で、この主人公の内面がだらだらと表に流れだすっていうのは、昨今の「副音声映画」の特徴でもあるわけなんですよ。だからその意味ではものすごく相性のいいことであったわけだ、これは。
能年ちゃんが14歳の役をやることについては、さすがにどうかと思ったんだけど、意外にさまになっている。というか、アップならそう見えないこともない。無垢さみたいなものがちゃんととらえられている。カメラを引くと身体は大人なんだけど。
ラピュタ阿佐ヶ谷で『北陸代理戦争』。『映画の奈落:北陸代理戦争事件』(国書刊行会 )と合わせてどうぞ。
その後吉祥寺へ移動、バウスで『ポケットの中の握り拳』。さよならバウス。