『おしょりん』 眼鏡作りの草創期を訪ねる眼鏡映画。堂々たる福井の地元産品紹介系地域振興案件・・・。だが、鯖江は出てきません
→公式サイトより
『おしょりん』
監督 児玉宜久
原作 藤岡陽子
脚本 関えり香、児玉宜久
撮影 岸本正人
出演 北乃きい、森崎ウィン、駿河太郎、高橋愛、秋田汐梨、磯野貴理子、津田寛治、榎木孝明、東てる美、佐野史郎、かたせ梨乃、小泉孝太郎
福井県鯖江市は日本の眼鏡の九割を生産する眼鏡の町として有名である。というわけで福井県の眼鏡作りの草創期を訪ねる眼鏡映画。なんと映画の冒頭には「福井県ニュース」と題して北陸新幹線延伸に合わせて福井の観光案内をするビデオがついている。さて、そんなわけで、本作は高級メガネフレームの製造販売で知られる増永眼鏡の創立沿革映画である。監督は『えちてつ物語~わたし、故郷に帰ってきました。』の児玉宜久ということで(製作も同一)、堂々たる福井の地元産品紹介系地域振興案件である。
明治37年、福井県足羽郡麻生津村(現福井市麻生津)……って鯖江じゃないのかよ! そう、実は福井県の眼鏡生産のルーツは増永五右衛門が農家の副業としてはじめた増永眼鏡のほうなのだった。というわけでこの映画には鯖江は出てきません。福井県福井市発!
福井の豪農の娘、むめ(北乃きい)に、麻生津村の庄屋の長男、増永五左衛門との縁談が持ちこまれる。どうしたもんだか……と思って一人留守番していたところに、はるばる増永家から届け物をかついで若者(森崎ウィン)がやってくる。くだけた物腰に惹かれ、この相手なら……と夢をふくらませるむめ。というわけで結婚を承諾すると、結婚式当日、出てきた五左衛門(小泉孝太郎)は似ても似つかない相手だった。そう、若者は五左衛門の末弟、風来坊の幸八で、兄の婚約者に爽やかに挨拶していっただけだったのだ。驚きと失望を押し隠し、五左衛門の良き妻となったむめである。五左衛門はと言えば、ぶらっと出かけてはうさんくさい儲け話を持ちこんでくる幸八を一家の厄介者と白眼視している。何やら六年前にも投資話を持ちこんで増永家に大損させた、と五左衛門は怒っているのだが、それがなんなのか映画の中では語られないのであった。
(残り 1656文字/全文: 2583文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
tags: かたせ梨乃 佐野史郎 児玉宜久 北乃きい 地方映画 小泉孝太郎 岸本正人 東てる美 森崎ウィン 榎木孝明 津田寛治 磯野貴理子 福井市 秋田汐梨 藤岡陽子 関えり香 駿河太郎 高橋愛 鯖江市
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ