『重ねる』 「史上初、釣り恋愛映画」鮎は美味しそうだし、カメラはしっかりしていたけれど、なんでこんなドラマにしたのかはさっぱりわからず
→公式サイトより
『重ねる』
監督・原案・脚本 配島徹也
撮影 今西真基
音楽 渡邉響子
出演 須田晶紀子、タモト清嵐、織田美織、竹川由華、末川かおり、小寺太、曽我部洋士、杉山ひこひこ、カトウシンスケ、大島葉子
「史上初、釣り恋愛映画、誕生」ということで、岐阜県群上市を舞台にした釣り映画と恋愛映画を重ねたということのようなのだが、見ていて恋愛ってこれでいいの……?って真剣に考えましたよ。どういうことかと申しますと……
テレビ局のADを務める一徹(タモト清嵐)は保育園の取材に出かけるが、保育士のあゆみ(須田晶紀子)への取材はうまくいかない。彼女は父親のことを話そうとすると言葉が出てこなくなってしまうのである。だが「顔はいいから(番組としては)持ちますよ」というような一徹の不遜な物言いが先方の不信感を招き、クレームを入れられて番組はオクラになってしまう。一時休養を命じられたうえ、パワハラ気味に叱責されて思わず上司をぶん殴ってしまう。これはもう無期限休養か……と思いなして黙って実家に帰ることにする。妻(織田美織)は「田舎好きじゃないから。娘の習い事もあるしね」と勝手にすればの態度なので、一人で故郷和良に向かう。高級魚和良鮎の産地として有名な釣りの名所でもある。さっそく竿を取りだして釣りに興じる一徹。毎日が日曜日……
ちょうどそのころ、ゴロゴロとキャリーケースを引いてあゆみが和良にやってくる。釣りに興味があるわけでもないのになぜこんなところまで来たのかよくわからないが、ニコンのデジイチと三脚持参で自撮りとかしてるくらいなんで、本気のカメラマニアで風光明媚な被写体を求めてきたのかもしれない。ところが川のところで急な尿意に襲われる。周囲をみまわしても公衆トイレなどない。しかたないので橋の真ん中までいって野ションベン。きれいなアーチを描いて降り注ぐ小便の下にいたのは一徹だった! コラー! と怒った一徹の剣幕にあわててパンツをあげて逃げるあゆみ。あゆみと一徹、運命の出会いであった……
って! そんなマニアックな恋愛の発端ってあるの? だいたいなんで橋の真ん中まで出ていって堂々青空野ションベンとかしてるのよ。やっぱりそういうマニアなのか? ともかく泊まるところも決めていなかったあゆみは親切な観光課の職員健太(曽我部洋士)に民宿を紹介され、訪れるとそこは一徹の実家だったということで、小便かけたことに気づいているあゆみは少々遠慮がちながら(一徹のほうはまったく気づいていない)そこに長逗留を決めこむことになる。二人の夏がはじまった!
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