渡邉裕規「求められていない時こそ、不思議と力が発揮できるのかもしれません」インタビュー
渡邉裕規選手に、2021-22シーズンを振り返っていただきました。今日(2022年7月22日)は、田臥勇太選手の契約継続が発表され、ホッとしたファンの方も多かったと思います。今回の渡邉選手のインタビューでは、田臥選手や遠藤祐亮選手という長くチームに在籍する選手への想いにも少し触れていて、実に感慨深いものがありました。(文・藤井洋子/写真・山田壮司)
—2021-22シーズンを振り返って、あらためて感想を聞かせてください。
前シーズンのファイナルで活躍したメンバーがチームを去り、スタメンで言えば3人替わっている中でシーズンが開幕したので、応援してくださる皆さんにとっては“落胆”から入ったシーズンだったのかなと思います。
—シーズン開幕前には「ブレックスなら大丈夫」と話されていましたね。これはどのような想いがあったのですか。
ファンの皆さんにとっては、主力の選手が抜けたというインパクトが大きかったんだろうと思います。それは向かい風にとらえられがちですが、残された選手からすると気流に乗っていけるような起爆剤になったんじゃないかと思います。現に、昨シーズンのメンバーがいなくなった時、虚無感を持って立っている選手は誰もいなくて、そういう逆境になった時にニカって笑えたんです。
「いいじゃん、やろうよ。これで優勝したらどうする?」って。それがエネルギーの素になりました。それに日本人の選手は残ってくれましたし、スタッフも替わらなかったので不安はありませんでした。
「ブレックスなら大丈夫」という言葉は、今となっては伏線回収になってしまったけど、そういう言葉が出てきた一端は、そこにあったんだと思います。
泥沼のような時期は無かった
—シーズン序盤は勝てない試合もありましたが、その時期はどのような気持ちでプレーしていたのですか。
それほど連敗もしていないし、泥沼のような時期は無かったと思うので不安に思うことはなかったです。ただ、コロナの影響で人が足りなくなっちゃうという怖さはありました。だからこういうルールの下でよく戦ったなとは思います。
開幕節で2連敗して、その時はメンバーが替わるとこうなるかと思ったりもしましたけど、シーズンの終盤になればなるほど、向かうべき方向性が明確になってきたという感じはありました。
チームとしてちょっと変わってきたなと感じたのは、10月27日の千葉ジェッツ戦の辺りです。行けるじゃん、と思いました。だから、その日その週の課題を乗り越えた先に優勝があったという感じです。優勝をして驚いたというよりは、自分が発した言葉ややってきたことは間違ってなかったなという感覚ですね。
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