シャルマンのフェイスシールドとフェイスシールドで電車に乗る人とboohooのマスク—マスク・ファシズム[16]-(松沢呉一)
「マスクに見る日本的ファシズム—マスク・ファシズム[15]」の続きです。
カチューシャ型フェイスシールド
まだローソンに現物を確認しに行ってないですが、このカチューシャ型は女子にはいいんじゃないですかね。
2020年8月12日付「日本経済新聞」
単なる飾りではなくて、飛び出した部分でシールドを前に出して、顔との距離を作っています。
もうひとつの特性は超低反射率です。
動画を御覧下さい。
前に書いたように、シールドは反射するので、撮影するとテカって顔がきれいに撮れないことがあります。
カチューシャタイプはフィルム2枚つきで2,200円。フェイスシールドとしては最高級レベル。田園調布や自由が丘に住むハイソな奥様、お嬢様向き。2,200円ごときで大げさですが、フェイスシールドは一般に安くて、500円を超えるものは珍しいですから。
このアプローチは必要です。日本人は機能なんてどうでもよくて、周りに合わせることだけが大事な人が大多数。その中で異質なのは高級品志向の人たちです。貧乏人たちは使えないものを私だけは使える優越感を求める。
こういう人たちがまず使い始める。そこから貧乏な大衆に浸透していくのが常。貧しい大衆こそがせめて自分の判断を信じればいいのですが、現実はまったく逆です。「右にならえ」しかできない大衆を動かすのは金のある人たちや芸能人たちです。
値段が高いことにも意味があります。そこにはブランドという保証が必要ですけど、シャルマンは鯖江ブランドのメガネフレーム・メーカーで、高級ブランドのメガネも多数手がけております。よくは知らんけど。
こちらでもフェイスシールドは購入できますが、この高級品が近所のローソンでも買えるんですよ。大衆化。
あとはシャネルやヴィトンの3万円くらいするフェイスシールドの発売を待ちたい。
他人に合わせることより、自分の判断を優先させる人
夏はマスクもフェイスシールドも暑いし、熱中症になる可能性があると指摘しました。そんな季節に、よりによってフェイスシールドとマスクを併用した人を品川駅構内で見かけました。メガネタイプでした。
ずいぶん前、まだ寒さが残っている頃に、電車の中で、ゴーグルに防毒マスクタイプの防塵マスクをつけている若い男を見たことがあります。香港でよく見かけるスタイルです。予防のためじゃなく、香港のプロテストへの連帯行動だったかもしれない。
しかし、駅構内でフェイスシールドをしている人は今回初めて見ました。私もいまだフェイスシールドをして電車に乗ったことはありません。マスクと違って、外すと持ち運びに困るので、夏の遠出に向かないのです。
あの人みたいな人でありたい。周りに影響されず、自分の意思で行動できる人。私はマスクもフェイスシールドもしていないことの方が多いですが、こういう人を積極的に肯定したい。高級品志向の人たちも必要ですが、他者の視線を意識していない分、こっちの人に私は共感します。人は人、自分は自分。
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