松沢呉一のビバノン・ライフ

合併症・鼻茸・手術—副鼻腔炎で悩んでいる人は多いらしい-(松沢呉一)

 

副鼻腔炎の人気は高い

 

vivanon_sentence副鼻腔炎のことを書いても読む人はいないだろうと思っていたのですが、伊藤野枝新島原遊廓について書くよりも副鼻腔炎の方がずっと人気があります。ナチスを除く歴史物の人気がなさすぎってことだったりしますが。

慢性副鼻腔炎、つまり蓄膿症は子どものうちはとくに多く、大きくなるに従って減りますが、大人も決して少なくはなく、トータルで日本には百万単位の患者がいるそうです。自分自身が患っている、あるいは家族が患っている人は思いの外多いのかも。フェミニズムの歴史に興味のある人、遊廓の歴史に興味のある人はその千分の1もいません。

無症状の慢性副鼻腔炎というのもあるそうです。膿が溜まっているのに症状が出ない。なんら不都合がないんだったら、放置していいとして、ある時急に鼻の奥が痛み出したり、黄色い痰や鼻水が出始めて、心配になって検索する人もいそうです。そういう場合は「ビバノン」を読むより、専門のサイトを読んだ方がいいと思います。

副鼻腔炎が直接の原因となって死ぬことはないですけど、稀とは言え、合併症を引き起こして、髄膜炎で死に至る例もあるとのこと。

 

副鼻腔炎の合併症

副鼻腔炎の主な合併症は、細菌感染が広がることです。感染が眼の周囲の組織に広がり、視覚の変化または眼の周囲の腫れが起こることがあります。

まれに、感染が眼そのものに広がり、眼の痛みと視覚の障害を引き起こします。

まれに、感染が脳の周囲の組織(髄膜炎)に広がり、重度の頭痛や錯乱を引き起こすことがあります。副鼻腔炎の人でこのような症状が現れた場合は、できるだけ速やかに医師の診察を受ける必要があります。

 

ここには書かれてないですが、死亡例があると医者が言ってます。

副鼻腔炎が治らねえ—一世紀前から現在まで続く「副鼻腔炎は脳に影響する」との説」に書いたように、鬱病との関連を指摘している人は多く、鬱から自殺に至る人もいるでしょう。

 

 

きれいには治りにくい病気

 

vivanon_sentence息ができなくなって夜中に目が冷める、黄色や緑の鼻水が垂れてきて枕や布団を汚す、頭痛が続いて集中できないといった症例を読むと、軽視していい病気ではない。

痰のことを書いている人も多くて、私の場合、副鼻腔炎で直接咳が起きるというより、痰がからむので咳が出る、あるいは出さざるを得ない感じ。私の痰は禁煙のためか、副鼻腔炎のためか、どっちかわからなくなってきてます。最初は禁煙が原因で、今は副鼻腔炎かな。

私の知っている範囲でも、多量の薬を持ち歩いている人たちはけっこういます。精神安定剤であったり、痛風や糖尿病の薬だったり。効果があればいいとして、副鼻腔炎では「薬の効果がない」と書いている人もいます。

私自身、5日の投薬では治らなかったですし、薬が切れたらすぐに復活したことから、解消されたように感じた頭痛は痛み止めでごまかしていただけではなかろうか。それなら市販のロキソニンで十分。完全に消えたのは発熱のみ。

人によりますが、とくにアレルギー性だときれいにピシャリと治りにくい病気なので、記事の需要があるんだろうなと思った次第です。これからは副鼻腔炎に力を入れるか。

※北西剛著『慢性副鼻腔炎を自分で治す』 患者が多く、辛い病気で、治りにくい病気となれば当然ですが、いっぱい本が出ています。患者が自分で治すことを医師が勧めているってことは、病院では治せないと言っているような気がしないではない。

 

 

鼻のキノコ

 

vivanon_sentenceネタとして原因を確定させる検査をしようかとも思ったのですが、本格的にやろうとすると大変じゃね。この間行ったクリニックではここまでできないべ。

 

 

 

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