難民を受け入れることで、難民を受け入れることの意義を実感した—改めて「難民」と「避難民」という言葉-(松沢呉一)
「セルゲイ・ショイグ国防大臣の復活と娘のクセニア/ロシアの独立系メディア「メデューザ」は潰されない/戦死したロシアの将官の数は6人説と7人説と8人説がある、など—ここまでの補足や追記」の続きです。
夢で見たネットカフェのウクライナ難民受け入れ策
頭の中が特定テーマに支配されると、夢にもそれが滲み出てきます。
こんな夢を見ました。ネットカフェに行ったら畳部屋があって、お母さんと子どもがいます。子どもは幼稚園児くらいの女の子。話を聞いたら、離婚をして家に住めなくなったので、住む場所が決まるまでここで暮らしているのだと言います。
ネカフェに親子が生活できるスペースがあることを初めて知って、続けて店員に聞いたら、ウクライナ難民を受け入れるために、家族仕様の部屋を作って、利用料無料、食事もすべて無料で提供しようと準備していたのだけれども、誰も来ないので、日本人に有料で貸し出したら思いのほか需要があったそうです。
「離婚以外では、仕事を解雇されて社員寮を出なければならなくなった一家が利用しています」
「たしかに収入と勤務場所が決定しないとアパートは決定しにくいよね。勤務先が遠いとまた引っ越さなきゃならなくなる」
なんて話したところで目が覚めました。
この場合は、需要があってよかったのだけれど、難民を受け入れると表明して準備をしたところで、肝心の難民が来ないとなんにもならないので、まずはそこを確認してから動いた方がいいなと目が覚めてから思いました。
なぜネカフェが舞台の夢を見たのかと言うと、先週久々にネカフェに行ったからだと思います。わかりやすい。
※言うまでもないですが、写真のネットカフェは夢と関係ありません。ここには家族仕様の畳部屋はないと思います。
日本政府の甘さ
ウクライナから日本に来た人たちの動画もチェックしているのですが、以下の報道ははいろいろと考えるところがありました。
冒頭に出てくる虹夏(にか)さんは、「てゆーか」「全然料理が作れない人だったんだけど」「メッチャ多くて」といった言葉使いや話し方、身振りがまんま日本人のギャルっぽくて好感を抱きました。
間もなく日本に来る親族は「3ヶ月のビザ」と虹夏さんは言ってます。
首相は「ウクライナ避難民を受け入れる」とカッコつけてみたものの、90日の短期滞在を認めただけなので、「旅行気分で日本に遊びに来ませんか」みたいなもんだったと言っていいでしょう。
90日で戦争が終わる保証があるわけじゃなし、まだ戦争が続いていたら、日本からまた別の国に移動するか、不法滞在するしかない。「戦争をまだやっているけど、ウクライナに帰ってちょ」と追い返せばいいってか。たぶん、この短期ビザだと、子どもを学校に入れることもできないかもしれず、子どもは連れて来られない。
こんな条件で日本に来ると思ったのか? あるいはやっているポーズだけか?
それではまずいというので、急遽、そこから就労できるビザへの切り替えができるように変更していますけど、そこが徹底されていないため、なお虹夏さんが不安がっているのは当然かと思います。
実際甘く考えていたんだと思います。国外に出る多くのウクライナ人は「すぐにウクライナに帰りたい」と考えているでしょうが、同時に「1年帰れないかもしれない」「もう2度と帰れないかもしれない」とも考えざるを得ない。その現実を見ようとしていない対策は無効とまでは言えないけれど、効果が薄い。
案の定、思ったようにはウクライナ人が来ないので、慌てて改善したってところでしょう。すぐさま改善し、これ以降も手続きの簡略化などを進めている点はよし。
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