松沢呉一のビバノン・ライフ

中居正広の癌とプーチンの癌—死に至る病・死に至る戦争-(松沢呉一)

 

50代のタレントの癌と70代の独裁者の癌

 

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中居正広に強い思い入れがあるわけではないのですが、すでに医師に余命宣告されたらしいのに、普段通りに振る舞おうとしている様子に感心し、エールを送りたい気分になりました。

でも、死の意味は歳によって違って(個人によっても違いますが、どんどん変化していくのが私の実感)、50歳にもなれば「だいたいやることやったな」という満足感とともに自身の半世紀を振り返ることができる人もいるでしょうし、「自分の人生はこんなもん」という諦観で振り返る人もいます。私は後者の気持ちが強くて、今はほとんどそれだけ。どちらにしても、自分の死を受け入れられるようになるので、そう無理に取り繕おうと奮闘しなくても、普段通りになるのかもしれないとも思います。

それに対して若い世代の死は、どういう人かよくわからなくても、また、死因をとわずに、その死は無条件に痛ましく感じますし、死の恐怖に襲われた自分自身、「どうして自分が」と納得できないものではないでしょうか。

以前から言っているように、「同じ命」としながらも。10代の死、30代の死、50代の死、70代の死はそれぞれ違う。年齢のバイアスはどうやっても拭いきれないものです。

中居正広が癌であることが報じられるとほとんど同時に、プーチンは癌とパーキンソン病に冒されていると「The SUN」が報道。何度目の癌だよ。

前は甲状腺癌と血液の癌とされていて、それらもまだ否定されてはいないみたいですが、今回は膵臓癌とのこと。次々と転移しているのかもしれないですが、それよりすべてガセだと思った方がスムーズです。

とくに膵臓癌は進行が早く、すぐに痩せるはずですが、見る限りは痩せたようには見えず、むしろむくんでいるのではないか。

今回はクレムリン内部のメールが漏洩したものということですが、あんまり私は信用してません。「不死身のプーチンが癌のわけがない」なんてことではなく、「人の死を願ってはいけない。ただし、プーチンは別」と思っている私としても、根拠が薄弱すぎます。

✳︎2022年11月1日付「The SUN

 

 

ヒトラーと同じくパーキンソン病の可能性はありそう

 

vivanon_sentenceただ、プーチンは右腕と左腕の動きがアンバランスで、歩く時にとくに右腕の動きが悪いことがわかります。ショイグとの会談の時に、その右手でテーブルの端をずっとつかんでいたことがあって、パーキンソン病かどうかまではわからないながら、手の震えを抑えているのではないかと思いました。

以下で確認できます。

 

 

パーキンソン病だとしたら、ヒトラーと同じ。独裁者病です(なんてことはないですけど、両者には共通点があります。下記参照)。ヒトラーもまた末期に手の震えを隠そうとしていました。どんだけ似てんだ、お前ら。

「70代だからしょうがないよね」「もうやることやったよね」と受け入れられるというよりも、プーチンの場合は世界中から望まれる死です。早く死ね。

引退するだけでもいいのですが、プーチンは生きている限りは口出しをするでしょうから、引退した上で、犯罪人として刑務所に入れられない限り、安心はできません。

 

 

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