Colaboと共産党のつながりの強さを明らかにした「赤旗」の記事—Colabo暇空茜[傍流編14]-(松沢呉一)-[無料記事]
「なぜColabo陣営の言葉は共産党支持者以外に届かないのか—Colabo×暇空茜[傍流編13]」の続きです。
「赤旗」とColaboのコラボ
このシリーズのタイトルに「傍流編」とついているのは、出遅れたことでもあるので、現在盛り上がっているColabo疑惑の数々をそのまま取り上げるのではなく、私なりにこの問題の背景を見ておこうと思っていたためです。「本流」は他の方々に任せた。
と思っていたのですが、リアルタイムに起きていることから目が離せなくなって、今に至ります。
今日こそ、「傍流編」に戻したかったのですが、「赤旗」に阻止されました。
昨日は1月7日付の「赤旗」の記事がネットで盛り上がってました。不確定情報ではありながら、「赤旗」が書いている内容と現実は違ったとの複数の証言が出ていて、写真も出てます。
もしその指摘が正しいのであれば、「赤旗」の記者が仁藤夢乃に同行したという前提自体が怪しくなってきますが、「赤旗」が取材した日がいつなのかについては推測であり、根拠のある推測ではあれ、そこにズレが生じている可能性はゼロではないでしょう。
これについては「赤旗」側の説明を待つとして、以下が私は気になりました。
こうしたColaboの活動に、ネット上などで攻撃が強まりました。訴状によると、都内の男性は今年、ツイッターなどに「10代女性をタコ部屋に住まわせて生活保護を受給させ、毎月現金を徴収している」などの虚偽の投稿を少なくとも数百回しました。
「現場での活動にも悪影響が出た」とスタッフが語ります。誹謗(ひぼう)中傷が増えるにつれ、相談が減りました。この日、午前0時前ごろまでのバス訪問者は20人弱。「従来の半分以下」といいます。
嫌がらせとも思える行為も。開設準備中から、数人の男性が無言でバスの前に立っていました。活動中もバス脇に立ち様子をうかがう別の男性が。女性スタッフが「怖い。声掛けに出られない」とつぶやきます。
訴状によると、運営を支える寄付なども減ったといいます。
日本共産党ジェンダー平等委員会の坂井希事務局長は「Colaboへの嫌がらせは、女性支援そのものへの攻撃。決して見過ごせない」と語ります。
この記事は監査委員会の監査結果が公表されたあとに出されていますから、一切触れていないのはいかにも不自然です。「暇空茜の主張はすべて否定された、疑惑は晴れた」なんて書くくらいなら、触れない方がマシとは言え。
なは監査請求の結果がでたことに触れないのか
暇空茜による住民監査請求に対して、個別の監査請求については「請求人の主張は妥当でない」と一蹴されていますが、結論部分では、Colaboの精算について、「不適切」としていくつもの点を具体的に挙げて「妥当性を欠く」とし、都の福祉保健局に精算のやり直しを勧告しました。
ただの計算ミスや誤記についてはその旨指摘し、それらは重大な問題とはされてませんので、「不適切」「妥当性を欠く」等と指摘されたのはそのレベルのものではありません。
「精算には不当な点が認められ、その限りで本件請求には理由がある」とした上で、現状の精算は「客観的に検証可能なもの」ではないので、2月28日までにやり直し。つまりは「監査請求すること自体はもっともであり、いい加減すぎて、こんなんじゃ、いいか悪いかも判断できねえよ」ってことです(言うまでもなく、ここは私の言い換えですよ)。
「請求の出し方がまずかった説」に私は納得しましたが、これについても暇空茜は提訴するようですので、請求の出し方が悪かったのか、監査委員会の判断が不当だったのかについても法廷で議論されましょう。
「タコ部屋」という表現には議論はあり得るでしょうし、だからColabo側もこの部分をクローズアップしています。これが名誉毀損に当たるかどうかは裁判で明らかにされましょうが、生活保護の不正受給についての証言も出ています。この証言が信用できるか否かはなお不明ですけど、これを虚偽だと決めつけることもまたできない。グレーです。
さらには、各自治体に対する二重請求問題も浮上しています(複数の自治体から公金を得ていること自体よりも、それをどう処理しているかがメインの問題)。これもグレー。
相談者や寄付が減ったとしたら、派手に記者会見をやったことの必然的結果
Colaboの報告書によると、「バスカフェ」の利用者は2018年10月から2022年3月までの平均で1回約22人です。この日、20人弱だったならほとんど減っておらず、天候等で生じるブレの範囲でしょう。
2022年4月以降は倍増していたのかもしれず、この数ヶ月に比して相談が半分以下になったのが事実だとして、また、「赤旗」の記者が現場に行ったのが事実だとして、注目度が上がったことによってそのような取材や野次馬も増えているはず。足が遠ざかったとしても不思議ではない。
数字にハッキリ出ているように、インターネットでの批判の高まりを招いたのは記者会見じゃないですか。提訴したことは文書で公開するに留めるべきでした。ナイーブな問題だとわかっているんだから、極力場外乱闘は避けた方がよく、その場外乱闘を加熱させるような「いらんこと」を言わない方がいいと考えるってもんじゃないですかね。好き好んであんな記者会見を華々しくやったことの失敗は自覚した方がいいと思います。
大きな騒動になってしまったことはもう元に戻せないですけど、「殺す」だの「爆破する」だのはどっちの側もやめとけ。
次回も「傍流編」には戻れません。