松沢呉一のビバノン・ライフ

警察が補導を徹底すればColaboは用なし—歌舞伎町での一斉補導を正しく理解する[上]-(松沢呉一)

 

煉獄コロアキは生きていた

 

vivanon_sentence煉獄コロアキはやっぱりかまってちゃんでした。

 

 

 

縁もゆかりもない人物ですが、少しは心配してましたから、「ともあれよかった」と思いつつ、「心配して損した」と腹が立ちます。ColaboやColaboを擁護する人たちに対する腹立ちに比較するとたいしたことないですが。

Colabo支持者は昨日も都庁前で抗議したらしいですね。どうでもいいので動画も観てないですが、なんか変。この上、抗議なんてやったら、いよいよ決裂するだけ。そもそも仁藤夢乃が長文で、東京都とのやりとりを公開したのも変。自分を不利にするばかり。「トカゲ役のColaboは自分から切られに行っている説」が俄然信憑性を帯びてきました。底抜けに無能なのか、抜きん出て有能なのか、どっちかわからん。

今回はそれとは関係のない話。

 

 

歌舞伎町「トー横」で警視庁が一斉補導

 

vivanon_sentence先ごろ、歌舞伎町で警視庁が一斉補導を実施。

 

 

 

じっくり調べたり、考えたりする癖のない人たちは、こういう報道から、「Colaboが救済しなければならない家出少女たちが1日で30人も補導されるくらいに歌舞伎町にはいるのだ」と決めつけるのがいそうですので、正しい受け取り方を解説しておきます。

警視庁のサイトにはこれについての発表はなされていないので、詳細がわからないですが、昨年7月19日に行われた「令和04年度第2回 新宿警察署協議会 議事概要」によると、一昨年から昨年にかけて、春休み、GW明け、夏休みに、トー横周辺での一斉補導は繰り返し行われていて(寒い冬は家出が少なく、家出をしても外をフラフラしないので、補導しにくい)、東京都に歯向かったColaboに対して、「おまえらはもう不要」と宣言した、といった特別の意味があるわけではなさそうです。

過去の数字を見ていると、補導人数は着実に増えてきていて、一晩で30人はこれまでの最大数だと思います。一斉補導の効果が上がっていないのではなくて、メディアが「トー横キッズ」として取り上げるようになり、それによるトラブルも少しずつ増えて、いよいよ報道され、あの場所が広く知られるようになってきて、「そこに行けば面白いことがあるらしい」というので、人が集まってくるという循環になっているためです。補導しても追いつかない。

また、「トー横キッズ」と呼ばれるグループには、もっと上の世代も多いので、補導という方法では一掃できない。しかしながら、家出少年少女という範囲で見た時にはもっとも効果的な方法です。「家に帰っても親の暴力が待っている」なんて事情があるとしたら、その旨を聞いて、児童相談所に送ればいい。Colaboの出番はなし。もともとないんですけどね。

 

 

「トー横キッズ」の事件で注目すべきは美人局

 

vivanon_sentence同議事概要では、トー横キッズについて以下のように説明されています。

 

2 青少年を取り巻く環境について

(1)令和2年頃から、新宿東宝ビル周辺の路上等に少年らが集まって騒ぐ姿が目立つ ようになり、インターネットや週刊誌等で「トー横キッズ」と呼称され、現在まで 歌舞伎町地区において、彼らの関連する様々な事案が発生し、問題化している。

(2)新宿署管内では、少年の保護事案(家出、飲酒、児童買春被害)や粗暴事犯(暴 行、傷害)などの取扱いが新宿東宝ビル周辺に集中しており、挙署体制で検挙対策 を講じている。

(3)「トー横キッズ」に関連した事件

ア 令和3年10月5日、少年グループによる美人局(つつもたせ)で現金を強取した強盗致傷事件

イ 令和3年11月21日、歌舞伎町1丁目雑居ビル屋上において発生した傷害致死事件

ウ 令和4年3月5日、「トー横キッズ」等の未成年者に対して酒類提供した店舗の摘発

 

 

next_vivanon

(残り 1041文字/全文: 2756文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ