松沢呉一のビバノン・ライフ

ラトビアではロシア語排除が進む—国外脱出したロシア人たちの苦渋[4]-(松沢呉一)

国外脱出したベラルーシ人たち—国外脱出したロシア人たちの苦渋[3]」の続きです。

 

 

ラトビアでロシア人住民にラトビア語テストを実施

 

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ビバノン」を読んでいる方はぼちぼち事情がわかっているラトビアで、ロシア系住民を対象とした公用語(ラトビア語)テストが始まりました。

 

 

このロイターの報道を転用した記事や同程度の内容の記事しか見つからず、ラトビア語で検索してもテストの詳細がわからないのですが、ロイターの記事にいくらか補足した記事は出てきます。

3ヶ月の講座でクリアできる程度のテストですから、そんなに難しいものではなくて、簡単な単語、簡単な構文を理解できればいいと報じられています。3ヶ月あれば私でも合格できそう。

それにしても、ラトビアがどういう状況にあるのか知らないと、「そこまでしなくても」とか「多文化共生でいいではないか」とか「差別だ」とか言い出すのがいそうですが、少なくともこれは「やむを得ない」と私は思いますし、より積極的に「もっと早く実施すべきだった」とも思います。

では、改めてラトビアとロシアの関係、そこにおける言葉の意味を説明します。

 

 

ラトビア語ってどんなん?

 

vivanon_sentenceロシア語はインド・ヨーロッパ語族スラブ語派で、ラトビア語は同じインド・ヨーロッパ語族でもバルト語派。ロシア語とウクライナ語ほど近くはないですが、親戚みたいな関係ですから、まるっきり別の言語を覚えるよりは簡単。

独自の記号がありながら、ラトビア語はラテン文字なので、キリル文字しか読めない人たちにとってはそこから始めなければならないですが、両者のルーツは同じであり、一部を除いて機械的な置き換えができるので、そんなに大変ではないはずです。私だってほんの数日でキリル文字が読めるようになったくらいで。

しかし、日本ではラトビア語なんてまるっきり馴染みのない人が多いでしょうし、私もそうです。

こんな言葉。

 

 

 

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