ユーロヴィジョンに合わせてウクライナを爆撃したロシアの非道—情報が錯綜するロシア空軍の悪夢-(松沢呉一)
ウクライナの弾薬貯蔵庫が爆破される
「モンゴルに取材した中京テレビのドキュメンタリーを推奨—国外脱出したロシア人たちの苦渋[1]」の補足です。
東部戦線ではロシアが劣勢で勝ち目がないため、お得意の民間人狙いの攻撃をウクライナ全土に仕掛けています。
一昨日、被害が大きかったのは、ウクライナ西部のフメルニツキー(Хмельницька)の弾薬貯蔵庫に対するドローン攻撃です。
ロシアの弾薬貯蔵庫は何度かやられていますが、ウクライナで大きな弾薬貯蔵庫がやられたのは初ではなかろうか。
この中でも触れられているように、ユーロヴィジョン2023の栄えある決勝にウクライナ代表トボルチ(TVORCHI)が出る直前に、彼らの本拠地テルノービリにもミサイル攻撃があり、倉庫が破壊されて、2人が負傷。
これまでテルノービリがミサイル攻撃を受けたことはないらしく、意図的なものだと見られていて、ウクライナ外務省もユーロヴィジョンへの攻撃として抗議しています。去年に続いてロシアが排除されたことの腹いせか。
ウクライナはシード国なので、決勝しかタイミングがなく、わざわざそれを狙ったのだとするとあまりに悪質。トボルチもこのことを出番の前に知って、Instagramにその旨を書き込んでいたそうです(5月14日付BBCによる)。
改めてウクライナ代表トボルチ「Heart Of Steel」について
ユーロヴィジョンと戦争を並行して書いていましたが、こんなところで合体し、改めてヨーロッパにおけるユーロヴィジョンの大きさを実感してます。
トボルチの「Heart Of Steel」という曲タイトルから、ウクライナ人の心情を歌ったものだと思いましたが、英語字幕を見ても直接的ではなく、音としてもあんまり惹かれるところがありませんでした。
自分の街がミサイルで攻撃されていることを知ってステージに立った気持ちはいかばかりか。
BBCの記事によると、この曲は「マリウポリのアゾフスタリ製鉄所でロシア軍に抵抗し続けた部隊を題材にしたもの」だそうで、だから「鉄の心」なのか。字幕では全然わからんかった。
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