お好み焼きが日本食を代表する存在として扱われた時の抵抗感—日本食ブームとその本質[1]-(松沢呉一)
※G7の直後に書いたものですが、出すタイミングを失してました。たいした内容ではないので、読まなくていいです。
G7とともに話題になったお好み焼き
以前から気になっていることがあります。気になっていながら、わざわざ言うことではないと思っていたのですが、私が抱いてきた納得しがたい思いはどうやら根拠がありそうだとの感触を得たので、公開しておきます。
G7サミットによって、やたらとお好み焼きがクローズアップされ、各国首脳とその家族、取材陣が食べただけでなく、スナク英首相は自ら作ってみせました。
https://twitter.com/UKinJapan/status/1659774742642008065
私も広島に行くと広島風お好み焼きを食べますが、どちらかと言えば大阪派です。焼きそばは単体で食った方がいい。
個人の好みですから、どちらでもいいのですが、今回に限らず、日本を代表する料理として、お好み焼きがクローズアップされることが増えています。
以前は寿司とすき焼きと天ぷらが外国人受けする、あるいは外国人が認識する三大日本料理だったかと思います。しばしば寿司で代表されてしまいますが、刺身も欠かせない。
安いチェーン店もありますけど、それらの料理は高級感があります。
対して昨今は、ラーメン、カレーライス、かつ丼、牛丼、各種鍋、うどん、たこ焼き、焼き鳥、唐揚げ。卵かけごはん、味噌汁といった庶民の食い物もクローズアップされるようになっています。お好み焼き人気もこの流れです。
寿司とすき焼きと天ぷらと違って、こちらは高級感のある「日本料理」という表現とはそぐわないので、以下、「日本食」とします。
お好み焼きの弱さ
すべて合わせて、昨今の日本食人気の高まりがあるのですから、「大阪と広島」「高級と大衆」のどちらかしか許せない、みたいな話ではないのですが、ひとつだけ私は気に食わないことがあります。
これらをまとめて取り上げる時はいいのですが、お好み焼きだけを取り上げて、「これが日本食の代表だ」とすることに対しては「おいおい」という気持ちが生じます。チープなストリートフードだからではありません。
広島と来たらお好み焼きですから、今回のG7でクローズアップされたのはやむを得ない、むしろ当然なのすが、牡蠣もあります。牡蠣はいろんな国で食するとは言え、カキフライは日本独特らしいので、お好み焼きだけじゃなく、カキフライにも同程度スポットを当てて欲しかったものです。もみじ饅頭も日本だけだべ。
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