TBSの検証を検証する—ジャニーズ時代の終焉と新時代の幕開け[4]-(松沢呉一)
「今まで起き得なかったことが次々と起きている—ジャニーズ時代の終焉と新時代の幕開け[3]」の続きです。
ホロライブ所属VTuberの登録者数
しぐれういのYouTubeチャンネル登録者数が100万人を超えたのも驚きですが、VTuberにはこのクラスがゴロゴロしてます。
ホロライブENのがうるぐらは400万人超え。同じく森カリオぺは230万人。
JPのトップは宝鐘マリンで、277万人、2位の兎田ぺこらは233万人。3位の白上フブキは223万人。4位の戌神ころねは205万人。一般的にはもっとも知名度があるだろう星街すいせいは201万人で5位に留まってます。201万人でもすごいわけですが、JPのトップではないのかと、私も確認して意外に思いいました。
44人いるJPメンバーのうち、100万人を超えているのが28人います。半分以上。しぐれういはホロライブのメンバーではないですが、ホロライブの中に入ると、真ん中より下。
JPの平均が111万人以上。トータルでは5000万人以上。ENやIDは入ってないので、全体としてはさらに巨大。
しかも、ほとんどのメンバーがチャンネル登録者数を伸ばし続けています。一体どこまで行くのやら。
ラジオのアナウンサーだって顔写真は出してますし、公開放送では顔を晒します。声優も同じ。なのにVTuberたちは、原則顔を出さずにこれだけの人気を得ています。何が起きてんだって感じですが、この点でも、インターネットがなかった時代には、起き得なかったことが起きているのです。
参考までに、現役ジャニーズのタレントで、もっとも人気のあるのは、スノーマンかと思いますが、スノーマンのチャンネル登録者は286万人。
宝鐘マリンより少し多いですが、がうるぐらには遠く及ばない。スノーマンはYouTubeがメインの活動場ではないですから、単純な比較はできないですが、彼らもオリジナル番組を週一ペースで出していて、テレビ、ラジオ、雑誌、コンサート、ファンクラブといったジャニーズ事務所のノウハウを総動員しての数字とも言えます。
その神通力が崩壊しつつある今、身の振り方を間違えると、VTuberたちに続々抜かれていくでしょう。
✳︎VTuberランキングより。所属チャンネル数が47になってますが、うち3チャンネルは運営のチャンネルです。
ジャニーズ問題を報道しなかったTBSの自社検証
前に書いたように、「自分は何をしていたのか」が問われるので、ジャニーズ問題について触れることに躊躇があります。しかし、気にはなるのでチェックはしています。
一方で、VTuberによる曲をよく聴いているわけですが、たまたまではあれ、これまでの時代が終焉しつつあることと新しい時代が到来したことの象徴がジャニーズ事務所とホロライブのように見えます。
今回は、VTuberを導入にすることで、触れることの躊躇を乗り越えてみましたが、ここからはジャニーズです。
崩壊しつつあるのはジャニーズ事務所だけでなく、芸能界のシステムであり、それを支えてきた旧来のメディアのありようです。
メディアの中では、TBSは比較的自分らの責任を検証しているとは思いますが、メディアによるジャニーズ事務所に対する検証に比すと、これでも甘すぎましょうし、私はここにごまかしを見ます。
これを観て、改めて取り上げなきゃだめだと思いました。
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