提訴した松本人志の真意を推測する—「女性セレクト指示書」で理解する松本人志[後編]-(松沢呉一)
「何人の芸人がテレビから消えるか—「女性セレクト指示書」で理解する松本人志[前編]」の続きです。
松本人志が文藝春秋を提訴
「女性セレクト指示書」にこだわっているうちに話がどんどん進んでます。
松本人志が提訴したことを伝える吉本興業の説明によると、「記事に記載されているような性的行為やそれらを強要した事実はなく」とあって、「性的行為自体がなかった」とも「性的行為はあったが、記事に記載されているような性的行為はなかった」とも読めます。
訴状では後者の意味で書かれていそうですが、ここでは誤読を狙ったのではなかろうか。「事実無根」と矛盾を生じますので、「性的行為自体がなかった」と受け取られるようにしたと。裁判が始まったらわかってしまいますが、吉本興業としては直接裁判に関わらず、徐々にフェードアウトする心積もりで、とりあえず先延ばししたんですかね。
結果について、今から予想する意味はあんまりなくて、観客の私としては、両者から、新たな証言や証拠が出るかもしれないので、裁判が始まるのを待っているとしますが、勝てたとしても賠償金は最大数百万円でしょうから、裁判に費やす時間や労力を考えると割に合わない。どうあれ、テレビに復活できる見込みはほとんどないですから、松本人志は裁判を避けるのではないかとも思っていたし、多くの人がそう思っていたようです。
メリットがあるとは思えないのに、なぜ提訴したのか。「事実無根とした以上、後に引けなくなった」とか、いろんな見方が可能ですが、前回、今回の中にヒントがあります。また、訴えた相手として書かれている「株式会社文藝春秋ほか1名」の「ほか1名」は誰なのか。これも私なりに推測してます。あんまり信用しなくていいですが。
では、前回の続きです。
一夜のセックスで職業って重要?
「セレクト指示書」は、アテンダーの若手芸人が、キャバ嬢たちを連れて行ったら、松本人志が機嫌を損ねたことがあり、「だったら、松本さんの方から希望を出してくださいよ」と頼んで出てきたものかと思います。
ただの飲み会だっだら、松本人志のように、飲み屋で働いているからNGということはなく、客慣れしているし、面白い話もできるので、むしろ歓迎。髪の毛を染めているからNGなんてこともない。職業や髪の色なんてどうでもよくて、「話が面白ければなんでもよし」です。あるいは、「面白い体験をしていればなんでもよし」。ヤリマンはネタの宝庫ですから言うことなし。
この場合、「話が合う」というのも大事ですが、会ってみないとわからないので、事前に希望しても意味がない。
セックスが前提になると、「話が面白い」に条件が加わって、「高度なバトルが楽しめる相手」を希望します。たいていヤリマンや風俗嬢、AV女優になりますが、ここで気をつけなければならないのは、ヤリマンは口が軽いのがいるので、セックスの前にそこを見極める必要があり、「今まで誰とセックスをしたことがあるのか」を聞いて、名前を簡単に口にするのは除外。
あとは身長、おっぱい、顔といった外的特徴になります。
結婚していてもしていなくても、彼氏がいてもいなくても、子どもがいてもいなくてもよし。
✳︎2024年1月22日付「松本人志氏の提訴に関して「週刊文春」編集部がコメント」
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