英特定班の成果—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[4]-(松沢呉一)
「難癖中国人の言い分を検証する—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[3]」の続きです。
なぜああも強硬に映像を消そうとしたのか
いかに中国人グループの難癖がデタラメであったのか、いかにMengying Liuの言い訳がウソだらけであったのかを見てきましたが、冒頭に書いたように、なぜ彼らが肖像権なんて無理筋の難癖をつけたのかについては今なお謎です。
やるべき事前調査もやらず、失敗のないように準備することもせず、現場に仕込みの人たちが集まってしまって、いつまでも彼らを待たせるわけにはいかない。しかし、ジムが「日本のテレビが取材に来ている」といい加減なことを吹き込んだため、ドクターKはいつも以上にノリノリで、やめる気配がない。
早く切り上げさせるためだとしたら、映像に文句をつけても、カメラを止めてドクターKは演奏を続けるかもしれないのですから、徒労に終わります。普通だったら、「ジムさんが何を言ったか知りませんが」と、改めて自分らの目的を話し、「私たちも撮影をしたいのですが、あとどのくらい続きますか」と聞くってもんでしょう。「あと10分くらい」と言われれば10分待つ。ドクターKが気を使って、「だったら撮影を先にしていいですよ」ということになるかもしれないのですし。
普通じゃない人たちに「普通だっだら」という仮想を持ち出しても意味がないですが、彼らは、ドクターKの演奏が終わるのを待っていると同時に、映像も問題だと気づいたのではなかろうか。だから「法的措置をとる」とまで言い、騒動の後も、YouTubeに対して削除依頼を出しているのではないか。
彼らとしては、春節用の映像を春節当日ではなく、早くから撮り溜めしていることを知られたくなかったために映像を止めたかったのかもしれないですが、「だったら、人通りの多い場所で、人通りの多い時間帯に撮るな」という話ですし、その割に必死すぎるようにも思います。
二人の正体
Mengying Liuは自ら弁明動画を出しているくらいで、顔を晒すことに問題はなさそうです。
赤い服に黒い帽子の女はAdelina Ning Zhang(張寧)。動画の中でも「アデリナ」とドクターKに名乗ってます。彼女は英中友好の活動をしており、英国の政治家を招いて中国大使館で開かれるパーティを幾度も主催するなど、まず間違いなく共産党員であり、共産党のプロパガンダを担当しているのでしょう。
しかし、彼女も以前から大っぴらに顔を晒していて、だから大量の写真が発掘されています。あの場にいることがバレたところで問題はなさそうです。
もう一人の重要人物は、「同じ年齢ではないのだから彼女に触るな」と訳のわからない理由を持ち出して恫喝したNewton Lengです。彼はカメラを向けられるとすぐに手で遮り、一瞬しか顔が出てません(上のSS)。これ以外にもちょっとだけ顔が出てますが、撮られることをはっきり嫌がっているのは彼だけです。
トラブルを収めようとして思わずしゃしゃり出て、トラブルを後戻りできないところまで悪化させ、その結果、一瞬の顔出しが拡散され、誰であるのか特定された底なしのアホです。
彼は以前孔子学院で中国語講師をやっていました。世界中にある中国が運営している教育機関ですが、各国で中国共産党のプロパガンダを担っているとも言われます。現在フィナンシャル・タイムズの顧問。中国に関する記事のアドバイザー的な仕事か、翻訳の仕事か。
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