数が増えればたかがマナー違反で済ませられなくなってくる—ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン[後編]-(松沢呉一)
「洪水がロシアを一層困窮させる—ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン[前編]」の続きです。
日本に来ている中央アジアの人々
前回登場したウズベキスタン人は、今春、日本語学校を卒業し、この4月から、専門学校に通い始めてます。高校の卒業時期が9月の国が多く、そのため、日本語学校は1年数ヶ月通うことが多いのですが、その割には彼はそんなに日本語が上手ではなく、おそらく話す機会が少ないのでしょう。
以下は読みやすく直してます。
「ウズベキスタンからの留学生はけっこう来ていますが、ほとんどが学校を終えるとすぐにウズベキスタンに帰ってしまうので、日本にいるウズベキスタン人の数は増えないんです」
2022年12月現在、5,513人のウズベキスタン人が日本に在留しています。2023年6月現在、中国人は78万人、ベトナム人52万人、韓国人42万人が在留していて、在留外国人の総数320万人のうち、ウズベキスタン人はわずかであり、上位20位にも入っていません。もともといたウクライナ人と戦争以降避難してきたウクライナ人と合わせた数よりちょっと多いくらい。
ウズベキスタンの次に日本に在留するのが多い中央アジアの国はキルギスで、2022年10月現在736人です。次はカザフスタンで、2023年6月現在670人。あとは100人もいない。ウズベキスタンが抜きん出て多く、コンビニで出会える中央アジア出身者はほぼウズベキスタン人だと思ってよさそうです。
ウズベキスタン人留学生のほとんどが帰国するのは、ムスリムにとっては食事が厳しいのか、乾燥している中央アジアの人たちにとっては湿度の高さで体調を崩しやすいのか、言葉が難しくて仕事を探せないのか、なんて考えたのですが、全然違ってました。
「ウズベキスタン政府はIT産業を育てようとしてます。ITを勉強して国に帰ると、高い給料が保証されています。経済は成長してますが、貧しい国ですから、日本に比べれば給料は安い。でも、物価も安いので、日本よりいい生活ができるんです」
日本に留学できるのは富裕層でしょうが、おそらく政府から奨学金が出ていて、帰国してIT関連の仕事に就けば奨学金を返済しなくてもいいといった制度があるのだと思います。だったら帰国しますわね。
あんまりウズベキスタンらしさがないですが、セヴァラ・ナザルハンというシンガーソングライターがもっとも有名なミュージシャンだそうです。
ロシア国旗を振ってんじゃねえよ、って感じですが、司会者や会場の人々を見ても、ロシアのフェスじゃなかろうか。この動画のタイトルもロシア語です。ウズベキスタン公用語はウズベク語で、ロシア語も併用されていますので、それだけでは判断できないですが。
彼女はヨーロッパでの活動も多く、WOMADフェスにも出てますし、ピーター・ガブリエルのツアーにも参加しています。
銭湯にもウズベキスタン人?
これが先週のことで、以降は会ってないですが、他のところでウズベキスタン人かもしれない3人と出くわしました。前にも出てきましたが、おばちゃんが受付にいる時は、しばしばダベる銭湯があります。
その日は、軽く挨拶をして中に入りました。いつもはそんなことはないのですが、外国人が5人もいます。2人は白人ですが、別々に行動していて、会話を交わしていなかったので、一緒に来たわけではなさそう。2人とも20代半ばか。その片方は、チンコの皮がムケてます。亀頭が赤くなっているので、入る時に日本に合わせて露出したのだと思います。日本通です。
あとの3人は一緒に行動していて、中のひとりが中央アジアっぽい顔立ちをしています。あとの2人はネパール人と言われればそう思える顔立ちです。中国西部かもしれない。
この3人は大きな声で話し、その言葉から、中国ではなく、ネパールでもなく、やはり中央アジアだろうと目星をつけました。それ以外の中央アジア出身者を銭湯で見かける可能性は低いですから、ウズベキスタンか?
大きな声で話すのは賑やかでいいのですが、浴槽の中で湯を掛け合ったりしていて、ガキかよ。周りに人がいなかったから、いいようなもんで。私がコンビニで会った2人のウズベキスタン人に比べると、タイプが違います。こっちは陽キャ。
彼らはサウナに入ってから、揃って出ていき、その後私も出ました。
✳︎ウズベキスタンの国旗
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