ミャンマー版「Bling-Bang-Bang-Born」に見るパクリの意識変化—文化盗用とパクリ[3]-(松沢呉一)
「もしシェールが姫カットを「シェール・カットと呼べ」と言い出したら—文化盗用とパクリ[2]」の続きです。
そこに鳴る軽音部「Bling-Bang-Bang-Born」の注目点
そこに鳴る(そこに鳴る軽音部)が果敢にも「Bling-Bang-Bang-Born」をカバーしてます。
この曲の注目点は、ベースの藤原美咲が姫カットである点です。そこかよ。
前からそうだったような気もするし、前は違ったような気もして、はっきりしない。遡ってみたら、一昨年からのようです。
2022年8月18日公開のMV。
わかりにくいですが、姫ってます。
ミャンマー版「Bling-Bang-Bang-Born」
「Bling-Bang-Bang-Born」つながりで、もうひとつ。
アレンジの強いミャンマーのカバー。と思いきや、オリジナルらしいですよ。すんごい偶然。んなわけあるか。
これほど人の心を和ませる悪質なパクリは珍しい。内戦状態にあるミャンマーで、これをやるのはたいしたもん。少数民族独立軍+民主派連合軍は、戦費捻出のために、ゴールデントライアングルで芥子の栽培と覚醒剤の製造に励んでいて、それが国内でも流通し、内戦の恐怖を忘れるためにラリってんのかもしれない。
ミャンマー語(ビルマ語)は全然わからず、自動翻訳の精度も低いので、ミュージシャンの名前さえ読み取れないですが(個人かバンドかも不明)、この曲はThu Kyaw Thu HD Productionというチャンネルで公開されています。Thu Kyaw Thuは映像のディレクターのようですが、このチャンネル以外で、このMVは公開されていないので、レーベルを兼ねているのかな。
Thu Kyaw Thu HD Productionの他の曲は3桁か4桁の再生回数で、万に達しているのがわずかにあるだけ。そんな中、この曲だけは20万突破! 観ているのはほとんどが日本人ぽい。おもれえもんな。
コメ欄にも日本人がたくさん書き込んでいて、面白がっていたり、「ギターがいい」なんて誉めていたりします。怒っている人もいますが、笑っている人の方がずっと多い。
対して、ミャンマーの人たちは、ほんの一部、擁護らしきものもありながら、大半は「パクリだ」「恥ずかしい」「クレジットを入れろ」と批判し、「殺す」と書いているのもいます(自動翻訳なので、正確ではないかも)。
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