『ボクの妻と結婚してください。』 自己中心的で他人の気持ちをまったく考えない不愉快な主人公、織田裕二にぴったりじゃないか!(柳下毅一郎)
→公式サイトより
監督 三宅喜重
原作 樋口卓治
脚本 金子ありさ
撮影 清久素延
音楽 菅野祐悟
出演 織田裕二、吉田羊、原田泰造、高島礼子、森カンナ、佐藤ありさ、小堺一機、大杉漣
ぼくはまったく知らなかったのでてっきりオリジナル企画なのかと思ったら、これ原作小説があったんですね。いや織田裕二主演作品にこの原作を当てた人、これは慧眼としか言いようがない。この自己中心的で他人の気持ちをまったく考えない不愉快な主人公、織田裕二にアテ書きみたいにぴったりじゃないか!
売れっ子放送作家三村修治(織田裕二)は、ある日、身体に不調をおぼえて受けた検査で衝撃の診断を告げられる。末期の膵臓癌で余命六ヶ月。否応なしに自分の死後のことを考えることになった三村、「妻(吉田羊)と息子にはいつまでも笑っていてほしい」と考えて、それには再婚だ!と自分の死後、妻が再婚する相手を探すことにする。つまり婚活だ! と婚活パーティに潜入してよさげな男に食いついてみたり、旧知の知多かおり(高島礼子)が結婚相談所をやっていると聞くと「妻の相手にいい人いませんか?」とあきれ顔の相手に頼みこむ猪突猛進ぶり。何がすごいって、ここまで妻には何も相談していないのだ。末期癌のことも言っていないし、内緒で釣書を書いて勝手に結婚相談所に応募する。
「彩子(妻)だったら笑ってくれると思って」
というのだが笑うかよそんなもん! 百人が百人激怒するだろ! 最初は渋っていた知多も、そのうちに織田裕二の狂気にまきこまれて「共犯になるわ!」とインテリア会社社長の伊東(原田泰造)を紹介する。すっかり伊東が気に入った三村、伊東の会社に日参し、
「中華料理に行ったとしましょう。一人だったらラーメンしか食べられない、せいぜい餃子まででしょう。だけど、二人なら青椒肉絲も食べられるし……秘密を教えましょう、家族で食べる食事は美味しい!」
この気持ち悪い結婚PRになぜかノリノリの伊東も
「奥さん、愛してらっしゃるんですね! ぼくも結婚したくなってきました!」
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