遠藤祐亮「自分自身の殻を破った瞬間」(コラム)
2月28日シーホース三河戦(GAME2)で、遠藤祐亮は6本の3Pシュートを決めて18得点の大活躍となった。チーム全体としても高確率でシュートが決まり、今シーズンのチーム最多となる18本の3Pシュートを沈めて、93-84で勝利を挙げた。ブレックスは前日のGAME1を67-85で落としていたが、この日勝利したことで、ホーム2連敗を阻止することにも成功した。
今回は、この三河戦を中心にこれまでの遠藤の活躍を振り返った。遠藤躍進の予兆は、実はそれ以前から少しずつ垣間見せていたようだ。(文・写真/藤井洋子)
苦い敗戦となった三河戦GAME1
2月27日のGAME1は、なかなか得点ができずに苦しい展開となっていた。
「ローテーションもそうだし、リバウンドも相手に取られて、何よりオフェンスの面でターンオーバーが多かった。そこで自分たちからリズムを崩し、それを引きずってしまいディフェンスで立て直すことができませんでした」
こう話したのは、ジョシュ・スコットと共にケガから復帰したばかりの比江島慎。
この日の試合は、前半を終えて36-40と4点差で折り返したが、後半から徐々に点差が開き始めた。
メンバーを細かく入れ替えながら追い上げを図るブレックスだったが、なかなかリズムが掴めない。そのまま14点差まで離された4Q(クォーター)残り6分、5人全員を入れ替え、スタートのメンバーに戻したが、その後も点差を詰めることは出来ず、悔しい敗戦となった。
「試合の入りからディフェンスの激しさを出せずに、40分間戦ってしまった」
遠藤もまた悔しさを滲ませながら、こう反省を述べている。この試合は、36.2%とチーム全体としてシュート確率が芳しくなく、それも敗因の一つとなった。
「シュートは打つべき場面で打てたと思うが、そこで決めることが出来なかった。でも、シュートに関しては、切り替えれば明日は出来ると思う。どんな勝ち方でもいいので、明日はしっかり勝利をもぎ取れるようにしたい」、こう力強く言い切った。
遠藤の活躍が光ったGAME2
翌日のGAME2では、前日の言葉を裏打ちするような遠藤の姿があった。前日同様、試合開始1本目のシュートを決めた遠藤。前日との違いは、この日1本目に決めたのは3Pシュートだったことだ。
この幸先の良いシュートは、遠藤自身にいいリズムを与え、同時にチームメートに波及し始めた。
LJ・ピークが3Pシュートを決めると、再び遠藤が3Pシュートを決めるなどして、結局、遠藤は1Qだけで4本もの3Pシュートを沈めた。遠藤の高確率シュートで勢いに乗るブレックスは、55-34と大差をつけて前半を終えた。
3Qには、相手にリバウンドを取られるなどして一時点差を詰められたが、「控えのメンバーが出ている時も、同点にされることなく最後までいけたことが昨日とは違う部分」と安齋竜三HCが評価するように、流れを持っていかれそうになりながらも逆転されずに最後まで逃げ切り、貴重な1勝を挙げた。
この試合で、観客に最も強い印象を残したのは、やはり6本もの3Pシュートを決めた遠藤の姿だろう。
遠藤は前日の試合、敗戦が濃厚となった終盤になっても最後までシュートを打ち続けていた。遠藤の言葉を借りれば、「打つべき場面」で、しっかり打ち続けたことが翌日に繋がったと考えられる。
このチームの中の自分らしさとは
もう一つ、遠藤の活躍が光った要因を挙げるとすれば、今シーズンのチームにあって、遠藤自身が自分の良さを明確に出来たことが大きい。
実はこの試合の数日前、今シーズンの自身のプレーについて聞いた際、遠藤はこう話していた。
「シーズン開幕前はLJがどういうプレーヤーかということも良く分かっていなかったし、前半戦はこのチームの中で、自分がどう活きるべきかという部分を考えながらプレーしていたせいか迷いがあって、自分の思うようなプレーが出来ない試合が多かったんです。
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