『スキャンダル』 FOXニュースの躍進って、これだったのかと驚き。世の中変える、革命を起こすというのは並大抵のことじゃないなと考えさせられる映画でした
→公式サイトより
今頃ですけど、シャリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー出演の『スキャンダル』が、アメリカの闇というか現代の問題点を描いていたので紹介させてください。アマゾン・レンタルなどで簡単に安くみれます。
FOXニュースの女性アナウンサー、グレッチェン・カールソンが、同じ会社の会長兼CEOロジャー・エイルズをセクハラで訴えて勝つというシンプルなものなんですけど、その背景が複雑なのです。
この事件、#MeTooの発端となったハーヴェイ・ワインスタインの影に隠れて、日本ではどういうことが起こっていたのかあまり入ってきてなかったのですが、映画を観て「えっーそんなことになっていたの」とびっくりしたのです。
この映画を見る前に、ウィル・フェレルの『俺たちニュースキャスター』を観ることをお勧めします。
そうです、“俺たちシリーズ”のおバカ映画です。アメリカのニュース番組、ニュースだけを24時間流すCNNなどのケーブル・テレビがどのように発展してきたのか分かります。こちらもアマゾン・レンタルにあります。
『俺たちニュースキャスター』を見てないと、『スキャンダル』の面白さ分かんないと思います。
これら観終わってから『俺たちスーパー・ポリテイシャン、めざせ下院議員!』もお勧めです。アメリカのネトウヨを牛耳る超金持ちコーク兄弟が、自分たちのビジネスの都合のいいようにどうやって政治を動かしているのか、よく分かると思います。
ニュース番組を作る人は大体リベラルな人が多いと思うんですが(保守でもいいですけど)、そんな番組を作っている人たちがすごい女性差別をしていたということにびっくりするわけです。
ニュース番組のアンカーと呼ばれる、総合司会というか、新聞で言う社説を書く人、野球で言うと四番打者に女性を起用してこなかったのです。
『俺たちニュースキャスター』は、それをギャグにしています。原題はずばり『アンカーマン:ザ・レジェンド・オブ・ロン・バーガンディ』、アメリカではアンカーマンと言うのがどれだけ重要なのか分かるタイトルです。
日本だと久米宏、筑紫哲也、古館伊知郎の位置につくことなんか誰も何とも思ってないじゃないですか、アメリカだととっても重要なことなんです。日本もそれを真似をしようと、久米宏、筑紫哲也、古館伊知郎のようなニュース・キャスターのスターを作ろうとしたんですけど、その流れもいつの間にか終わってしまいましたね。しょうもない国なのか、こっちの方がいいのか、これはどういうことを意味しているのか、僕には全く分からないですけど。
日本のやり方だと、辛坊治郎、池上彰みたいなやり方になるんでしょうね。
アメリカはお笑いの人がアンカーのやり方で政治を斬るというのも定着したスタイルなんですけど、それを日本でやると松ちゃんや東野幸治がやっているようなことになるんでしょうね。アメリカみたいにちゃんと意見を言いたいと言うウーマンラッシュアワーの村本大輔を使えばアメリカのレイト・ナイト・ショーのような番組すぐに作れると思うのですが、スポンサーが集まらないのか、視聴率がとれないのか、誰もやろうとしませんね。
アメリカに話を戻します。アメリカの最新のニュース番組を作っている人たちが女性差別を今もやっているとは誰も信じないじゃないですか、僕もそうだと思ってました。ちゃんと実力の世界で、男性、女性関係なく優れた認識を持つ人が正当な評価のもと選ばれ、アンカーを務めているのだろうと思ってました。
だから『俺たちニュースキャスター』は70年代の話ということにしているんだろうと思っていたわけです。実は今も何も変わっていなかったのです。
ニュースの世界でもこんなのだから、女性がちゃんと正当に評価されるって、なかなか難しいというか、まだまだ時間がかかるなと思ったわけです。
で、それを逆手にとって、めっちゃ右の放送局FOXニュースの会長兼CEOロジャー・エイルズは、女性アンカーを起用したのです。それがFOXニュースの大躍進につながていったのです。
FOXニュースの躍進って、これだったのかと驚きですよ。
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