雪が積もった東京の深夜パトロール—この程度で終わればいいのだけれど-(松沢呉一)
大雪の東京をパトロールする
東京の大雪と言ったって、積雪は10センチ足らずなので、たいしたことはない。足を滑らせて転倒する人たちはいるとしても、また、電車が運休して帰宅できなくなる人たちが出たりはしても、とくに今は在宅勤務体制に慣れていて、外に出ないことで対応する人たちは多いでしょう。
でも、私はこういう時こそ外に出たくなります。夕方外に出たら、ガッツリ雪が降ってました。嬉しい。
東南アジアから来ているであろう外国人グループが写真を撮りながら嬉しそうに歩きまわっていて、山岳地以外は雪を見ることができない国から来た人たちはさぞかし嬉しいでしょう。私の仲間。
この時にはしゃぎすぎたか、昨日は早く寝つきました。ところが、深夜1時過ぎに電話がありました。寒くて電話に出なかったのですが、目が覚めてしまって寝られなくなりました。
結局そのまま起きてしまって、午前4時台にパトロールに出かけました。もう雪は降ってませんでしたが、どこもかしこも雪景色ですよ。
道路が凍っていて怖い。そういうこともあろうかと思って、底のギザが多いブーツを履いてきたのですが、それでも滑ります。油断すると確実に転ぶ。手袋をしてこなかったのが失敗です。冷たいのでポケットに手を入れると、バランスを崩しやすいのです。冷たくても、手を外に出して歩き続けます。
朝の道路は要注意
歩道がツルツルになっていることがよくあって、車道を歩きます。車がボチボチ走っている道だと車道は安全(写真参照。左側が歩道、右側が車道)。轢かれるかもしれないけれど。
しかし、裏道に入ると、歩道も車道もツルツルです。今日の出勤時、登校時は転倒する人が続出でしょう。手袋をして出かけた方がいいです。
この時間に歩いているのはおもに老人です。早起きで、朝の4時には起きている人や深夜1時に電話がかかってきて寝られなくなった人たち。雪の日もそうは変わらず、おじいちゃん、おばあちゃんが転びそうになりながら歩いています。転ぶ人も確実にいましょう。
そんな中で感心したのはジョギングする人です。凍った歩道を走っていきまして、スパイクのついたシューズでも履いてんのかな。こんな日くらい休めばいいのにとも思いますが、こんな日でもパトロールをする私に言われたくないか。
もうひとつ感心したのは新聞配達です。自転車で配達してました。私が見た時は大丈夫でしたけど、10人に1人くらいは転倒しているんじゃなかろうか。ご苦労さまです。
まだ暗いのに、この寒さの中、早くも餌探しのためにカラスが鳴きながら飛んでいたことにも感心しました。
(残り 1159文字/全文: 2265文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ