指名手配されたオフシャンニコワさんはすでに国外に出ていると見た—イランのプロテストについての追記もあり-(松沢呉一)
「不屈の民」「ベラ・チャオ」「Baraye」
前回、イランの自由を求めるプロテスターたちがシェルヴィンの「Baraye」を歌っている動画を出そうと思ったのですが、いざ探すと見つからないので、諦めました。
探そうとしないと簡単に出てくるもので、さっき見つけました。冒頭で歌ってます。
ドイツのテレビ局ZDFの映像です。
後半、わずかに「不屈の民」が聞こえますし、ラストはイタリアの「ベラ・チャオ」で締めてます。プロテスト・ソング好きにはたまらない構成になっております。
このドキュメンタリーの主な登場人物はベルリンに住むイラン系ドイツ人、ダニエラ・セーリさん、24歳。Z世代です。
この世代のイラン人が世界中でプロテストを主導しているわけですが、今イランで一番激しくプロテストをしているのは、この映像の中にも出てくる女子学生(イランの教育制度がどうなっているか調べてないですが、日本で言えば高校生に該当)たちです。学内で何かコールをしていますが、あれは「独裁者に死を」と言っているらしく、ヒジャブを外しているのもいます。粗暴なあばずれたちです。
ニカ・シャカラミの死がありましたから、同世代の彼女らとしははももう黙っていられないのでありましょう。22歳のマッサ・アミニも十分に同世代ですが。
では、ニカ・シャカラミさんと女学生たちのプロテストです。シュピーゲルの映像。
他でもよく使われている映像ですが、ニカ・シャカラミさんがパンクスっぽい格好をして、歌を歌っています。
これも冒頭で「Baraye」を歌ってます。探そうとしなければホントに簡単に出てきます。しかし、皆で歌うのは難しい曲です。誰もヒジャブをつけてません。続いて、宗教指導者の写真に中指を立ててます。超絶カッコいいあばずれたち。
ZDFやシュピーゲルだけじゃなく、ドイツのメディアはこぞってこのテーマを繰り返し取り上げています。長めのドキュメンタリーではだいたい在独イラン人をクローズアップしています。数が多いのでしょうし、だからプロテストも激しくて、逮捕者も出ているようです。ドイツで暴れても意味ないし、永住権をとっていないと強制送還になりかねないので、「Baraye」を歌って頭を冷やした方がいいです。
なお、「女性・命・自由」はペルシャ語で「ジェン・ジャン・アザディ」と発音するらしきことをこの動画で学習しました。
オフシャンニコワさんが軟禁から逃亡して指名手配に
といったように、今、気持ちがイランに傾いているので、ロシアのチェックが甘くなってますが、オフシャンニコワさんが軟禁から逃れて、指名手配されたというニュースはメディアゾーン(メディアゾナ)で読んでました。
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