松沢呉一のビバノン・ライフ

ロシア軍内乱射事件・ロシア軍のドローン攻撃・Su-34の墜落事故—ロシアの悪あがきにうんざりする-(松沢呉一)

 

マヌケさに加速がつくロシア

 

vivanon_sentence昨日は鼻血を出していて、ロシアの無様さについてまとめている暇がありませんでした。今日も鼻血を出していたのですが、もう止まりました。これは副鼻腔炎の症状らしいです。空気が乾燥してくると、粘膜が炎症を起こして出血するのです。そんなに乾燥してないですけど、これからは毎日鼻血かな。

家だといいのですが、外だと血みどろになって恥ずかしいです。昨日は外だったので、慌ててマスクをして隠したのですが、あとで気づいたらマスクが血みどろでした。時間差で恥ずかしい。

では、昨日出そうと思っていた内容を鼻血とともに出しておきます。

 

とくに動員令以降、ロシアはやることなすことうまくいかない感じです。それまでだってうまくいってなくて、だから動員令が必要とされたわけですが、都市部のロシア人にとって、今まで他人ごとだったウクライナ戦争が自分にも関わりのある身近な災厄となり、逃げる人は逃げ、戦地に行っても投降することを考える。動員されない人たちにとっても、家族や知人、友人、恋人が動員されるかもしれないと怯え、関心を抱くと、政府が言っていることは噓だらけだと気づく。

戦地に送られた動員兵が早くもどんどん死んでいます。ロシア政府は5人と言ってますから、100人は死んでいるんじゃないですかね。最低限の訓練もせず、ただの人柱です。第二次世界大戦時とまったく同じ。

一説によると、すでにロシア兵は9万人戦死しているとのこと。これは多すぎとしても、5万人くらいは死んでいそうで、動員兵の死亡率は確実にもっと高くなります。半年で7割戦死とか。残りの2割は負傷、1割は投降。全滅。

動員された村の男が遺体で帰ってくる。あるいはいつまで経っても帰ってこないということが連続してくると、戦地に行けば生きて帰れないってことを悟ります。生きて帰るには投降するのがもっともいいとも気づく。

以下はウクライナのUATVの動画です。

 

 

冒頭に出ている動員兵を見れば、まるで役に立ちそうにないことが歴然としています。

前に出した戦車とともに投降したロシア兵のうちの一人が笑顔で登場(あの映像に出ている一人なのかどうかはっきりしないですが、ウラジミール・ゾルキンのクレジットが入っているので、たぶん彼がインタビューしたのでしょう。探しておきます)。戦車とともに投降すれば、戦車は日本円で数百万相当でウクライナ軍が買い上げてくれるので、しばらく遊んでいられます。死んで故郷に帰るよりUATVいいべ。

戦地に行けば全滅に近いくらいに動員兵は死ぬ可能性があることに気づいた人たちは戦地に行く夫や恋人に「あんた、投降して。できれば戦車も一緒に」と懇願し、いよいよ士気は落ちる。なんとか動員から逃れるため、武装してクレムリンに突入する。そういうのもそろそろ出てくるんじゃないかな。願望です。

次々と動員兵が部隊内の動画をアップしていて、少なからぬ動員兵たちは闘う気はない。ベルゴロドのロシア軍内乱射事件が起きたのは志願兵の部隊ですが、宗教の違いを乗り換える大義がないので、殺し合う。

あの件の死者は11人ということで落ち着いたみたい。現場の写真に遺体が13体写っていたって話はなんだったんだろう。やっぱり「犠牲者」ということで、銃を撃ってその場で射殺した2人はカウントされないのか? あるいは第二次世界対戦時の浮かばれない霊か。ものすごい数のロシア兵とドイツ兵の遺体が今もその辺に埋まっているはずですから。

 

 

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