ロシア軍の戦闘機が自国を爆撃—新しい時代のパルチザン-(松沢呉一)
複雑すぎるスーダン
スーダンの内戦が終わりそうにないです。
「ポストコロナのプロテスト」シリーズをやっている時、スーダンを取り上げようとしたのですが、アラブ系住民対先住スーダン人との対立、イスラム教対キリスト教の対立、独立した南スーダンとの小競り合いがまずあって、石油とレアメタルを狙うエジプト、中国、ロシア、トルコなどの思惑がからんで、内戦とクーデターが繰り返されていて、あまりに複雑で、とても私には理解し切れないので、調べるだけ調べて諦めました。
どっかの国を理解する場合に、国内のどこかにシンパシーを置くことが速道だったりするのですが、どこに肩入れしていいのかもわからんです。隣のエチオピアもたいがい複雑ですが、スーダンに比べればずっとわかりやすい。
つうことで、スーダンは今後も無視するとして、今回もロシアです。
シベリアで火災
シベリアのチュメニ(Тюмень)で4月17日に大きな火災。
ロシア・メディアはよくある自然災害として扱っていて、たしかにこの映像を見ればわかるように、草原と一部森林が燃え続けているだけです。チュメニは油田地帯ですが、そちらへ被害が及ぶ恐れはない模様。
今回はそこまでではなかったのですが、大規模な山火事となると軍隊も出動することになり、パルチザンによる放火説も過去の山火事には出ています。しかし、今の段階でのパルチザンの攻撃は、より直接的なターゲットに向いているので、パルチザンとは無関係でしょう。
自国に誤爆したロシア軍
続いては、4月20日に、ウクライナ軍による攻撃が続くウクライナ国境近くのロシア領ベルゴロドで、高性能の爆弾が落とされています。
ウクライナ軍によるものでもパルチザンによるものでもなく、ロシア軍の戦闘機Su-34が誤って爆弾を投下したものです。さすがにプロによる爆破は強烈です。
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