松沢呉一のビバノン・ライフ

指名手配されたタタルスキー殺害の首謀者は何者か—ロシアのネオナチとウクライナのネオナチとのつながり-(松沢呉一)

 

 

タタルスキー殺害の首謀者が指名手配に

 

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戦争が次の段階に入るところなので、私まで緊迫してきてます。

相変わらずロシア領内のベルゴロドでの戦闘は続いているようですし、今度はベルジャンシク(Бердянськ)にストーム・シャドー

 

 

画面にちょっと写ってますが、あの船舶は軍艦ではなく、ロシアの貨物船です。占領地区の小麦や金属を運び出しているところで、ウクライナからすると海賊船みたいなものです。

昨日は大雨も気になったのですが、もう気候変動は止められず、年々ひどくなるのがデフォルトですから、いまさら気にしても仕方がない。ずっとロシア、ウクライナ関連の記事をチェックしていたのですが、すんげえ気になる報道を見つけました。

3月2日、サンクトペテルブルクのカフェで、軍事ブロガーであるヴラドレン・タタルスキー(本名マキシム・フォミン)爆殺事件がありましたが、調査委員会は、事件の首謀者はロマーナ・ポプコワ(Романа Попкова)と断定し、指名手配となりました。

ロシア当局はその旨をTelegramに発表しただけで、詳細は発表していないのですが、爆薬が仕掛けられた彫像を持ち込んだダリア・トレポアは、彼に彫像を渡された旨は以前発表されていて、キエフ在住のロマーナ・ポプコワは彼女のことを知っていることは認めながら、犯行を命じたことは否定。しかし、二人はSNSで頻繁に連絡をとっていたとのことなので、その記録をロシア当局はつかんでいるでしょうし、その時、ロシア国内にいたことも確認できているのではなかろうか。

現在どこにいるのか不明ですが、おそらくウクライナ国内だろうとのことです。

また面倒くさいヤツが出てきたなって感じですが、これでいろんなもんがつながりました。

※2023年6月1日付「TCH」 ウクライナ・メディア。より詳細な情報や論評を加えることなく、ロシア・メディアとさして変わらない報道をしています。写真はタタルスキー

 

 

ロマーナ・ポプコワは国家ボリシェヴィキ党モスクワ支部の指導者

 

vivanon_sentenceロマーナ・ポプコワがいつロシアを離れたのかわからなかったのですが、タタルスキー爆殺以前のことだと思われます。ことによると、数年前かもしれない。

彼は、ロシアにいる時、国家ボリシェヴィキ党モスクワ支部の指導者でした。国家ボリシェヴィキ党はナチスシリーズで以前軽く触れてますが、ネオ・ユーラシア主義と共産主義を合体させたロシア内ネオナチ・グループであり、ロシアでは解散命令が出ている非合法団体です。

旗を見ても、ナチス+ボリシェヴィキです(色がナチ党と同じ)。

 

 

ネオ・ユーラシア主義を提唱しているのがアレクサンドル・ドゥーギンであり、ドゥーギンは、国家ボリシェヴィキ党の共同創設者の一人なのです。

娘のダリア・ドゥーギナの爆殺は、アレクサンドル・ドゥーギンが本当のターゲットだったと言われてますが、あの事件も。ロマーナ・ポプコワらによる犯行である可能性がありそうです。つまりはもともとの同志です。

 

 

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