松沢呉一のビバノン・ライフ

「美少女戦士セーラームーン」で勇気づけられた世界の人々—全国フェミニスト議員連盟は表現を評価する資格がないことを改めて確認する-(松沢呉一)

 

日本のアニメの魅力は女子が強いこと


vivanon_sentence数ヶ月前のことです。YouTubeを観ていたら、来日している外国人観光客にインタビューをしていました。その中の一人が、日本のアニメが好きな理由として、「日本のアニメは女の子が強いから」と語っていました(記憶で書いてますので、発せられた言葉通りではありません。そもそも日本語ではなかったですし)。どこの国かまでは覚えてないですが、20代の女性だったかと思います。

具体的なアニメのことは語っておらず、「ん? そうかなあ。そんなアニメあるかなあ」と最初は思ったのですが、よくよく考えると、たしかにそう言える作品は数々あります。

作品によりけり、作者によりけりですが、ジブリ作品では、強大な敵に女の子が抗う姿や異世界で一人冒険をしながら成長していく姿が描かれています。

 

 

火垂の墓」の節子は圧倒的に弱いですが、兄ちゃんだって結局は弱い。戦争を前に子どもは無力という話ですから、あれはいいとして。

そう考えると、宮﨑駿と高畑勲が「長靴下のピッピ」をアニメ化しようとして実現しなかった話も納得しやすくなります。子どもながらに巨悪と闘うピッピはこの上なく強い。

ジブリ以外でも、強いキャラを探すのはそう難しくない。

主人公ではないながら、峰不二子は相当にしたたか。昔っからドラマの法則として。嫌われ者を配置するのが王道で、男の役割だったと思いますが、「聲の形」では植野直花です。私にとっては嫌われ役ではなくて、好きなキャラ。西宮硝子も後半は強い。「うる星やつら」のラムちゃんも強い。サザエさんも一家の柱的な存在です。「サザエさん」は海外で放映されていないか。

 

 

この上なく強いセーラームーン

 

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といったように、いくつかの作品を思い浮かべてその時は終わったのですが、それからしばらくして、海外のアニメフェスで好きなアニメについて聞いている動画があって、「セーラームーン」を挙げたのがいました。ああ、これは強い。しかも、何人もが束になって強い。

「美少女戦士セーラームーン」は「なかよし」の1992年2月号から1997年3月号まで連載。それと連動して、テレビアニメもスタート。1995年からは米国で放送がスタートし、世界40カ国以上で放送されています。

これ以降、女子戦隊ものがいくつか製作されていて、その嚆矢が「セーラームーン」です。

今も人気は衰えず、最新劇場作「美少女戦士セーラームーンCosmos」が上映中

 

 

「セーラームーン」が海外でも絶大な人気があることを知らずにいたのですが、検索してみたら、ムチャクチャ人気があるんですね。

コスプレをやっている人も多数います。

 

 

アニメフェスでは今現在人気のある作品のコスプレがメインになるので、多いとまでは言えないながら、チラホラとセーラームーンのコスプレを見かけます。

ロシアを代表するフィギュアスケート選手のエフゲニア・メドベージェワ(Evgenia Medvedeva)は日本のアニメが好きで、とくに「セーラームーン」の大ファンで、ショーでコスプレを披露。

 

 

これはカッコいい。

ドイツではファンフィルムも作られています。。

 

 

美少女じゃないような。ファンは怒りそうでもありますが、いっぺんやってみたかったんだべな。

 

 

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