さくらみこの統率力と女子校の結束力—ジャニーズ事務所のマネージメントとVTuberのマネージメント[3]-(松沢呉一)
「森カリオペの選択としぐれういの選択—ジャニーズ事務所のマネージメントとVTuberのマネージメント[2]」の続きです。
「ホロライブ大運動会」を運営が主催で継続する可能性
「ホロライブ大運動会2023」ですけど、大運動会がどういう経緯で始まって、どうして来年はやらないのかは、アフタートークで語られています。
芸能事務所のタレントが集まって自分らで大きなイベントを主催することは考えにくい。対して、ゆるい契約だと、金を生まない活動までは事務所抜きでやってよかったりします。たぶんホロライブの運営であるカバー(株)との契約もそうなんじゃなかろうか。
だから、大運動会も自分らで主催できていて、その代わり、モーニング・コールもしなきゃならない。スポンサーをつけるなど、金銭を生むようなこともできない。
だったら、主催を運営に移譲すればいい。運営側にも大いにメリットがありましょう。
しかし、事務所が業務としてやるには煩雑すぎるのではなかろうか。ホロライブの重鎮であるさくらみこ、大神ミオ、大空スバルが主催だからタダで、あるいは安価で協力した人たちも、スポンサーがついたとなれば「正規料金を寄越せ」になって、参加者にもそれ相応のギャラを払うことになり。すべてを換算すると、とんでもない予算になるのかも。
さくらみこの底力を見た
さくらみこ、大神ミオ、大空スバルが、ヴァーチャルな空間の話ではあれ、ENとIDを含めて46名(フワモコを2名にカウントして)が集結してイベントを成功させたこと自体称賛に値いします。
とくに計算ができない、漢字が読めない、五目ならべで誰にも勝てない、加湿器に水を入れないポンコツのさくらみこがしっかり全体をまとめていく様子を見て、胸が熱くなるものがありました。ホントの話です。みこちはすごいヤツだなと初めて思いましたよ。
学校の運動会だったら、知らないメンバーで騎馬を組んだり、リレーをすることはないですが、ホロライブ大運動会では、当然存在は知っていても、今までからんだことのない相手もいて、とくにENやIDには日本語がほとんど話せないのもいます。少々話せたとしても、大運動会では何を話していいのかわからず、互いにどうしていいのかわからない場面も見られました。
金メダルを逃しましたが、私は黄組を応援してました。大空スバルのチームってだけじゃなく、星街すいせい、尾丸ポルカ、角巻わため、ハコス・ベールズ、がうるぐら、IRyS、轟はじめなど、名前と顔と声とキャラを認識できているメンバーが多かったためです。このチームがもっとも自由度が高くて、列を作らないわ、乱闘を繰り返すわの狼藉ぶり。運営がまとめようとしても、まとめ切れないかもしれない。
会社が主催してスポンサーをつけるとなると、下から盛り上げていくあのノリが失われて、NGも増えそうです。大空スバルが乳首を出すことや、競技と関係なくそこかしこでチューチューするのはNGでしょう。個別の配信では、下ネタ連発が許されているのも、管理がゆるいおかげです。
VTuberではなく、一般の芸能事務所系アイドルだったら、下ネタも、酒を飲みながら配信するのも、喫煙者であることを公開するのも、風呂に入らないことを公開するのもNGでしょう。
✳︎GIFはホロライブのサイトより
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