松沢呉一のビバノン・ライフ

北ヨーロッパで新型コロナの感染者と死者が増加—中国のマイコプラズマ肺炎流行はなんか変[後編]-(松沢呉一)

マイコプラズマ肺炎は中国政府の目眩しか?—中国のマイコプラズマ肺炎流行はなんか変[中編]」の続きです。

 

 

若年層で新型コロナが発症

 

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数年にわたり、COVID-19を寄せつけない対策をとってきたため、免疫力を失った人々の間で感染症が猛威を奮っていると中国政府やWHO、研究者たちが説明しているのは納得できます。

大人であれば、新型コロナ以前に免疫の蓄積があり、コロナ禍で弱まっていても、ゼロにはならない。その点、子どもは蓄積が少なく、小学生でも乳幼児レベルのナイーブさを維持しているのがいそうですから、小学生以下を中心に肺炎が蔓延していることの説明がつきます。

ゼロコロナ政策が徹底し、かつ長期化したため、免疫力の低下が他国より著しかった中国で顕著な現象が世界に先駆けて表面化したとの解釈が一応は可能。その場合、程度は違えど。今後世界各国で同様の肺炎や感染症の多発が若年層を中心に見られるはずです。

インフルエンザの大流行がその先駆けになっているかもしれないですが、中国では今までは若年層では発症しにくかった新型コロナの発症が見られることが気がかりです。

✳︎2023年11月24日付「常春」 台湾メディア。中国の肺炎の流行はマイコプラズマによるものではない可能性を指摘。そのひとつがCOVID-19であり、後半では、世界的にCOVID-19の変異体が猛威を奮う恐れがあると警鐘を鳴らしています。

 

 

フィンランドで新型コロナの死亡者が急増

 

vivanon_sentence記事を探っっていたら、台湾メディアにこんな記述がありました。

 

フィンランドでの流行は2023 年11 月24 日まで続きました。廃水中のウイルスの量はピークに達したようです。そして、毎日の新型コロナウイルス感染症による死者数は、パンデミック中の最高の死者数に近い数字となっている。超過死亡数が増加しただけではなく、フィンランドでは外来診療において、 2023年までに1~6歳と7 ~ 14歳の小児の総感染者数がそれぞれ35%と15%増加したことも判明した。フィンランドでは1歳未満の子どもの場合、その数は56%に増加します。

——2023年11月24日付「常春

 

「廃水中のウイルス」とあるのは下水のウィルス量を調べることで蔓延の程度を知る方法を指します。

フィンランドの感染者数は10月以降上昇し、11月は1日1万人を超えていますが、ピーク時は20万人を超えていたので、表に出る感染者の数はピーク時に比すとたいしたことはない。にもかかわらず、死者数の増加はめざましく、ピーク時の5割を超えてます。

 

2023年11月23日付「worldometers

 

 

 

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