「地震は処理水の報い」と発言した中国人ニュースキャスターに局が即日対応した騒動が示唆すること-(松沢呉一)
本気で今年は怖い
今年は新年早々大きな災害や事故が続いています。スタート時が波乱に満ちているからと言って、これがずっと続くわけではないですが、続かないわけでもない。いろんな意味で今年は怖い年かもな。
歳をとると死ぬことを受け入れられるようになると同時に、個別の事象についてはかえって怖くなるところがあります。毎年、知人が亡くなって「死慣れ」していくし、肉体も精神も衰えていくため、人生に諦めがつくのですが、その衰えによって、今までだったらできたこと、できると思えたことのハードルが上がります。
例えば高所恐怖症でもないのに、高いところが怖くなったり。電動キックボードが走っているのを見ると、「楽そうだな」と思いつつ、体のバランスが悪くなっている自覚があるので怖いです。昨年末から時々腰が痛むので、ずっと立っているとかえって腰が痛くなりそうですし。腰痛も個人差があって、歩く方がきつい人もいるでしょうが、私は動いている方が楽。
免許を返納せず、人を轢き殺す老人たちがいっぱいいる現実を見ると、自分の衰えを自覚できない人もいるのでしょうが、私に同意してくれる人もそれなりにいるのではなかろうか。
私にとっては地震も怖いし、地震による津波や火災も怖い。倒壊した建物に閉じ込められるのも怖い。JAL機の乗客は全員助かったのが不幸中の幸いですが、乗客が撮った飛行機内の映像もメチャ怖い。
新年早々腹の立ったこと
自分の衰えを実感しない老人がいることも理解できないではない。感情については自覚的にはそんなに変わらず、孫の世代が泣いている同じ曲やアニメ、漫画でジジババも泣けます。この感情を基準とすると、衰えた自分を自覚しにくい。
むしろ涙もろくなるように、感情をコントロールする機能が衰えている可能性もあって、「キレやすい老人」もその現象でしょう。
これはこれで私も自覚があって、感情の起伏が激しく、ちょっとしたことで喜んで、そのすぐあと、ちょっとしたことで落ち込んだり。
「地震は怖い」と怯えている時に、韓国や中国では、「ざまあ」「報いだ」とネットで言っているのがたくさんいるのを知って、瞬間湯沸かし器と化しました。
若い時なら、「そういうのもいるわな」でスルーできたでしょうが、今は腹が立ってしょうがない。
でも、しっかり情報は確かめたい。これは歳をとっても同じ。
日本でもそういうのがいるわけで、反日教育を受けてきた中国や韓国の一般ネットユーザーにそういうのが大量にいるのは容易に想像できますが、今回は、中国のニュースキャスターまでがやらかしたことと、それによって、停職になったことが異例です(日本の報道では「アナウンサー」になってますが、中国や台湾では「司会者」「アンカー」になってます。詳しくは以下)。
✳︎2024年1月3日付「三立新聞網」
肖程皓(シャオ・チェンハオ)の名前は局のサイトから消えたよう
これについては、1月3日のうちに、時事通信や共同通信が配信してますし、中国メディアも取り上げてますが、台湾メディアが詳しいので(中国メディアの報道に、ネットで調べた情報を加えたものです)、おもにそちらを使って改めて見ていきます。
問題の発言をした人物は、肖程皓(シャオ・チェンハオ)で、海南ラジオテレビ局でニュース番組の司会を担当するなど、同局の顔の一人と言うべき存在です。
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