松沢呉一のビバノン・ライフ

中国国内でも批判される難癖中国人グループ—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[6]-(松沢呉一)

ドクターKが弾いた「Ching Cheng Hanji」が自分らに対する差別だと難癖中国人は主張—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[5]」の続きです。

 

 

(おそらく)中国本土からの批判に悩まされるMengying Liu

 

vivanon_sentence前回軽く触れたように、Mengying Liuがまた動画を発表。

 

 

定石通り、「ネットの攻撃がぁー」と被害者意識を爆発させてます。英国でも「出た、被害者アピール」といった反応です。どこの国でもこういうタイプがいて、どこの国でもそれにうんざりしている人たちがいます。

この第二弾弁明動画では、冒頭で、自分の対応が悪かったことを認めて謝罪らしきことを口にしているのですが、以降はずっと今まで同様、ドクターKが差別者であると決めつけ、ネットのバッシングに対する泣き言を言っているだけ。「何が問題になっているのか」を理解せず、曲解を根拠に自分の正当化をしているだけなのです。

バッシングの具体例も出していて、「お前はもう中国人じゃない」と言われたというもの。対して、彼女は「私は一人で英国に来て勉強し、友だちもいない中で、頑張っているのに、仕事にも支障が出てます」と言ってます。友だちはいないとしても、恋人はいて、嬉しそうに写真をSNSで公開しているのだし、それ以外にも、いろんな人たちと楽しそうにしている写真を出してますけどね。また、英国の法を無視して難癖をつけ、大声で恫喝する共産党の同志たちがいるではないか。

ここで言う「仕事」とは、在英中国人に職業を紹介し、「重要書類を盗み出せば別途報酬を払う」と誘いかけることでしょうが(知らんけど)、彼女が「中国のテレビだ」と名乗って、ドクターKに話しかけたことはなかったことになってます。前回の弁明動画では、中国の団体のために、無料でプライベートの映像を撮ろうとしていた旨を語っていて、そうしないと、自分らも営利のための撮影だったことになって都合が悪いのでしょうけど、だったら「中国のテレビ」というのは、権威づけのためのウソだったのか?

その場限りのウソ、ハッタリばかり言っているから、中国国内からも批判が出ているのです。

この弁明動画は、中国のSNSで公開されたものをInstagramやYouTubeに転載していて、対象は中国国内であり、「お前はもう中国人じゃない」という批判は、主に中国本土の小粉紅たちから寄せられたものです。なぜ小粉紅たちが批判に回っているのか不思議ですね(Mengying Liuら、難癖グループ側についている小粉紅もいる)。

長くなりますが、この仕組みについて説明しておきます。

✳︎Instagramより

 

 

中国でも大いに話題に

 

vivanon_sentence当初私は勘違いしていたのですが、この騒動の後、ドクターKは中国共産党を激しく批判していることから、彼はもともと中国共産党に批判的な人物で、中国人に対してもあまりいい印象を抱いておらず、だから日本のテレビの取材を歓迎しながら、中国人たちの存在を軽視したのかと思ってました。

実際には本人が説明しているように、政治的にはフラットで、中国の動画投稿サイトbilibiliにもチャンネルを開設していました。ただし、今現在は検索しても見つからず。チャンネルが健在の頃は、YouTubeの動画をそのままbilibiliにも出していたようですが、くまのプーさんを掲げて、中国共産党や共産主義を強く批判する動画を出したら、速攻で削除されましょう。実際、それでアカウントが削除されたのかもしれない。

以下はbilibiliで、「Dr K」を検索した結果

 

 

 

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