松沢呉一のビバノン・ライフ

壮大なストライサンド効果の例—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[10](最終回)-(松沢呉一)

難癖中国人たちが隠したかった人物が特定された?—日本では「港区放尿女子」が世間を騒がせ、英国では「小粉紅」が世界を呆れさせた[9]」の続きです。

この騒動で知ったこと、考えたことはまだまだあるのですが、長くなりすぎたので、ここで終わって、あとは別立てでやります。

 

 

ドクターKは一昨年から「Ching Cheng Hanji」をアレンジして弾いていた

 

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こんな動画を見つけました。

 

 

 

一昨年の段階で、ドクターKは、「Ching Cheng Hanji」をアレンジして弾いています。その段階で、彼はTikTokの中国版で200万人近くの登録者をゲットし、中国語を勉強していると書いています。彼は中国人たちに向けた曲として「Ching Cheng Hanji」をアレンジし、中国人や台湾人がここに来ると演奏しています。

この動画のタイトルにCCP(中国共産党)が入っているのは「中国共産党をも感激させる曲」と自身のアレンジを自画自賛する以上の意味はなさそうです。

彼は難癖中国人たちがやってくるあの日まで、中国という国家や共産党、その党員や国民に対して、少なくとも表面に出るほどの悪い感情を抱いてはいなかったでしょう。

なのに、難癖中国人グループはドクターKを反中国共産党の闘士に転じさせてしまったのでありました。

また、少なくない中国人が彼の存在を好意とともに認識していたことが、中国のSNSで、難癖中国人グループを擁護する意見より、批判する意見が上回っていることの背景にありそうです。

さらにはこのところ、中国では政府批判、共産党批判、習近平批判が噴出していることがこの件にも反映されたとの見方もできそうですが、これについては長くなるので改めて。

 

 

「Don’t touch her」が流行語に

 

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では、もう一曲。

 

 

これはオリジナルではなく、ドクターKが転載したものです。他にも「Don’t touch her」の同名異曲が続々発表されています。

「Don’t touch her」は本年の英国版「流行語大賞」候補ナンバーワンです。「同じ歳ではないので触るな」って、何が何だかわからん。

「同じ歳なら触っていい」という中国の古い風習でもあるのか? と思って、念のために検索したのですが、見つかりませんでした。

韓国もそうですし、程度は違えど、日本でもそうですが、年齢が自分より上か下かで相手を見定めて態度を変える文化圏では、同じ歳で初めて対等になれ、対等の関係では互いに無礼なことをしても許されるのか? と思って、念のために中国語で検索したのですが、これも見つかりませんでした。

見つかったのは、同じ歳の人の収入や地位が気になるって話くらい。こんくらいは日本でもありそうです。

このことからわかるのは、「気に食わない相手には、デタラメであっても、強く威嚇して萎縮させろ」という中国共産党の風習があるらしきことです。

 

 

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