松沢呉一のビバノン・ライフ

元祖VTuberエイレーンと中国共産党系一族(?)との金銭トラブル—アニメ娘「エイレーン」再出発プロジェクト-(松沢呉一)

 

元祖VTuberエイレーンが巻き込まれたトラブル

 

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VTuberはやっぱりスキャンダルに強い—終わった人々[後編]」の最後に、「元VTuberのエイレーンが中国籍の男に騙された上に脅迫を受けていると言っている」と書きました。時間が経ってしまったことでもあるので、この話はもういいかと思っていたのですが、エイレーンがクラウドファンディングを始めたことでもあるので、その紹介がてら、取り上げておきます。

始まりはこれ。

 

 

これを見て、「中国人の男は、経営・管理ビザを得て、帰化を狙ったのか」と思ってしまいました。

続けて、相手のGさんの主張。

 

 

譲渡したのは法人ではないのです。法人への投資じゃないと経営・管理ビザは取得できません。なんて話に留まるものではなく、これで見え方が大きく違ってきます。

個人の事業でも譲渡はできるし、うまく行くこともあるでしょうが、VTuberのマネージメント業務の譲渡はリスクが高すぎます。法人であれば代表権を委譲しておしまい。しかし、個人の事業だと、所属VTuberとの契約は個人と個人の契約ですから、改めて契約し直す必要があります。

そこでどうするかを一人一人考える契機が来てしまい、前から独立したいと考えていたり、「もっと大きな事務所に移籍したい」と考えていると、それを実行するきっかけになります。これまで個人の信頼で契約してきたけれど、どこの馬の骨とも知れぬ中国人との契約をためらうのもいるでしょう。事実何人かが離れたようです。離れても、名前の権利、アバターの権利、過去の動画の権利などは残るにしても、人が消えたら商売上がったり。

 

 

矛を収めた方がいいと思う

 

vivanon_sentenceもしGさんが契約前に私に相談してきたら、こう答えたでしょう。

「まず日本で会社を立ち上げ、経営・管理ビザを取りましょう。日本に法人があって、事務所を構えていないと信用されない。エイレーンさんも役員になってもらって、契約をし直す仕事は彼女に担当してもらうのがスムーズです。うまくいくかどうかわからないので、先に渡す金は抑えて、利益に合わせて役員報酬で支払っていくのがいいですね」

今さらこんなことを言ってもどうにもならず、契約してしまった以上、契約通り、金をエイレーンに支払うしかないでしょう。

Gさんの父は中国国営企業のトップ、母は福建省政府の幹部ということで、共産党のど真ん中にいる一家です。相談できる相手はいくらでもいたはず。これは中国人らしいハッタリではなかろうか。

事実でもハッタリでもろくなもんじゃないですし、所属VTuberたちへの罵詈雑言を見ても、信用に足る人物とは思えないですが、共産党系富裕層のボンボンが、誰にも相談することなく、シミュレーションをすることもなく、契約書にサインしてしまったのかもしれない。

両者とも訴訟も辞さず、といったところで、やりたいならやればいいですが、刑事では相手にされそうになく、民事でも早い段階で若い勧告されるだけだと思います。裁判をやっても、互いにダメージを受けて、プラスになることはないですから、両者ともに譲歩して、和解した方がよろしいかと。仮に裁判をするにしても、両者ともに相手を詐欺だとしているので、訴訟を増やすだけです。やるなら黙ってやるべし。

エイレーンは3月1日に、クラウドファンディング「」をスタートさせていて、2日目にして、目標金額500万円を達成し、3日目の朝で1,400万円を達成。あと28日ありますから、どんだけ集まることやら。

今回の騒動もこの数字に寄与してましょうから、これで納得してはどうでしょう。

以降は彼女のXYouTubeチャンネルをチェックしてください。

 

 

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