松沢呉一のビバノン・ライフ

全人代前後に続発した共産党批判と大規模事故をまとめてみた—中南海に車が突入しただけではない-(松沢呉一)

 

中南海に車が突入

 

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中国共産党に対しての蜂起があちこちで始まっているようです。

 

 

中国ですから、詳細も背景もわからないですが、場所は北京の政治中枢が集まる中南海の正面入口である新華門であり、連行された人物による「殺人犯共産党」という叫び声が聞こえるというので、反共産党の集団によるものと見られています。しかし、この報道では「殺人犯共産党」という言葉について触れてないので、その意図がわからなくなってます。こういう場合は台湾メディアを見るのが適切です。この報道自体、台湾メディアが元ネタです。

また、連行される人物と合わせて撮影している車が移動している、つまりあえてゆっくり走っていることから、撮影しているのも仲間だろうと見られています。事件の直後に、国外向けにXにポストされていることもそれを裏づけていましょう。

さすがにこうなると懲役は免れまい。本人たちも覚悟の上であり、そこまでの決意をした集団が動き始めています。

3月6日には、全人代の記者会見で、最前列にいた女性が壇上に上がって突進するところを取り押さえられています。最前列は国営メディア席ですから、中国のマリーナ・オフシャンニコワさんみたいな人かもしれない。なお、オフシャンニコワ毒殺未遂疑惑が一時出てましたが、あれは勘違いだったようです。

 

 

江蘇省政府庁舎の爆破事件

 

vivanon_sentence3月7日には、江蘇省張家港市政府庁舎で爆発事件があり、身元を明らかにした上で犯行声明が出ていますし、同日、同省公安庁のビルからも煙が出ています。日本で言えば警察庁ですから、狙われた可能性がありますが、建物の上層階ですから、市の庁舎入口と違って簡単に外部から侵入できそうになく、こちらは声明が出てないので、ただのタバコの火の不始末かもしれない。

以下、台湾メディア。

 

 

それもこれも、国内では詳細が報道されないので憶測が広まってしまうのが中国です。

 

 

公務員の財産公開を求めるグループ

 

vivanon_sentence江蘇省の件は台湾メディアはどこも大きく報じてますが、日本の主要メディアは積極的ではなく、もっともこういう情報を扱っている日本語メディアは法輪功系の「看中国」だったりするので、頼らざるを得ません。

以下は「看中国」が全人代直前に報じていたもの。

 

 

5名が映っていて、撮影者も彼らの仲間でしょうから、少なくとも6名はいそうです。「公務員の財産公開」を求めているだけであり、習近平も腐敗の廃絶を掲げていて、しばしば官僚は汚職で逮捕されていますから、ここで留まれば、懲役にまでは至らないのではなかろうか。マークはされるにせよ、建前上の習近平の方針に沿った行動をするのは賢いやり方です。

 

 

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