プーチン当選の裏で進行していたこと—モスクワのドモジェドヴォ空港にドローン攻撃/自由ロシア軍の進撃-(松沢呉一)
プーチンが当選したけれど
「本日正午(日本時間18時)投票所に集結の呼びかけ—ロシア大統領選に向けた製油所連続攻撃・自由ロシア軍のロシア侵攻など」に書いたように、ロシア大統領選挙最終日の正午に「投票所に集まれ」との呼びかけに多数が参加しましたが、一部逮捕者を出しつつ、この選挙戦でもっとも多くの人が集まって大賑わいという結果をもたらしただけだったようです。
「緑の液体」を「緑のペンキ」とタイトルで説明してますが、あれは消毒薬ではなかろうか。ロシアの反体制派はよく愛国者にかけられています。「非国民を消毒する」という意味でしょうし、今回は「選挙を消毒する」「プーチンを消毒する」という意味かと思います。
国を出ても顔を隠さなければならないロシア人。中国人だと、秘密警察に見られるとまずいので、顔を伏せても、カメラの前で共産党批判はしないでしょうし、同じような呼びかけがあっても無視しそうです。
ロシアの方がまだしもマシかも知れず、プーチンに納得していない人が多数いることを見えるようにしただけでも意味はありましょう。ロシアメディアは取り上げないですから、広く知られることはなさそうですが、国外メディアを見ている人はそれなりにはいます。ユリア・ナヴァルナヤの呼びかけに応じた人がこれだけいたように。
クリミアでは、誰に投票したかわかるように投票箱をもって家庭を訪れて投票を強いたり、国営企業では誰に投票したのかわかるようにして投票報告するような呆れた民主主義を実施した効果があって、プーチンは87パーセントの得票で当確。クリミアでは投票を拒否して連行されたのもいるとのことです。これで当選して嬉しいか?
モスクワのドモジェドヴォ空港に自爆ドローンが炸裂
上の動画の最後に出ているように、投票最終日の昨日はモスクワのドモジェドヴォ空港にドローン攻撃がありました。モスクワには4つの空港があり、うち3つが民間機専用の国際空港であり、ドモジェドヴォ空港はそのひとつ。ドローンは撃墜されたようですが、モスクワをドローンが襲撃したのは、昨年5月にクレムリンを襲撃、続いてモスクワ近郊を襲撃して以来ではなかろうか。
また、16日、ウクライナ軍はベルゴロドにドローン攻撃をして、死亡者が出た模様。これはベルゴロドの製油所を狙ったドローンが撃墜されて住宅地に落ちたものかとも思われるのですが、同日、ウクライナ軍がベルゴロドに侵攻した動画をロシア国防省は昨日になって公開。
自由ロシア軍のことかと思ったのですが、それとは別のようです。ウクライナ軍が自らロシア領に侵攻したのはこれが初めてではなかろうか。
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