中国産バッテリーが中国を焼き尽くす—中国経済を追い詰める洪水とEV・EB-(松沢呉一)
「気候変動によって山火事、洪水、雹は増加している?—思い込みで語るのは禁物」の続きです。
✳︎この回は手違いにより消えていたのですが、復活させました。
その後の広東省
台湾ではまた地震。台湾のメディアが機能してますし、日本でもすぐさま報道されます。
対して、広東省の洪水は、数日遅れで各国メディアが取り上げ始めています。なんで遅れたかな。中国メディアが機能していないためですし、中国がどうなろうと知ったことではないからですね。
これは米NBCですが、インドがとくに積極的に報道していて、一昨日、昨日とずっとライブ中継をやっていました。憎き中国だからではなく、インド・メディアは気候変動への関心が高く、インドのみならず、パキスタン、ネパールなど周辺国も洪水被害が増大しているためです。
この映像がとりわけ事態の理解に役立つわけではないですが、家のすぐ脇が濁流になって、車が流されていくのを眺めているじいちゃんの声が楽しそうでしょ。そこが見どころ。この前がカットされてますが、じいちゃんは顔も笑っているんですよ。楽しそうで何より。広東省では毎年洪水が起きているので、慣れてんのかもしれないし、ボケ老人かもしれないし、正常性バイアスかもしれないし。
広東省では例年のことなので洪水対策はしていたらしいのですが、今回はそれを超える豪雨ってことです。つっても、中国ですから、あらゆるところで共産党に抜かれて、予算がほとんど残らないことがあるらしいので、十分な対策がなされていないだろうことも容易に想像できます。
高速鉄道にも浸水?
広東省政府は「50年に一度」「60年に一度」という言い方を「100年に一度」に修正し、死亡者3人、行方不明者11人と発表。
数日前、パキスタンとアフガニスタンでも洪水がありました。
広東省に比べれば規模は小さいですが、少なくとも69人が死亡。普通に考えれば、広東省では死亡者が3桁に達しそうです。
広東省では被害地域が広すぎて、全体を把握できていない状態で、救助活動も追いついていない。動画の冒頭で橋が決壊するところが出ていますが、これだけではなく、各地で橋が決壊し、土砂崩れによって道路が遮断されているため、救助隊も動けないようです。
さらに、駅や列車内にも浸水。高速鉄道の車内だとしているSNSの映像もあるのですが、当局は高速鉄道であることを否定。自慢の高速鉄道に浸水したとあれば、また世界に恥を晒します。どちらが正しいのか、鉄ヲタにチェックして欲しいものですが、そんなもんを否定して回るより、「映像を撮られる時は笑うな」と呼びかけた方がいいと思います。じいちゃん以外にも笑っている人をしばしば見かけますので。
これを含め、インターネットの書き込みにも規制が入っているようです。流言飛語を恐れているのでなく、被害の実情が伝わることを恐れていそうです。
あと数日危険な状態が続くとされていますので、また取り上げるかもしれませんが、今回はここまで。
中国での恐ろしい数のバッテリー火災
ただでさえ、経済的な危機にある中国にとって、地震、山火事、洪水がさらに共産党政権を追い込んでいきそうです。
また、中国が世界制覇を狙ったEVが一転してお荷物になりそうです。
車に興味がなく、知識もないので、EVの欠点については、「寒さに弱く、燃費も悪くなる」「充電に時間がかかる」「地球環境への負荷を高めるだけ」「中古車の価値がない」「補助金で成立しているだけ」といった程度のことはわかってましたが、それでも買いたい人は好きにすればいい。
ただ、バッテリーの炎上については、それを原因とする高層ビル火災や走行中の事故が中国で相次ぎ、こうなると、「オレには関係ない」とは言ってられない。電動バスに乗っていたらいきなり炎上して蒸し焼きになるのは嫌ですがな。
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