松沢呉一のビバノン・ライフ

中国の洪水はまだ序章—ロシアの洪水による放射性物質の漏出-(松沢呉一)

 

中国の洪水はまだまだ続く

 

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24日に公開した「中国産バッテリーが中国を焼き尽くす—中国経済を追い詰める洪水とEV・EB」が手違いにより、非公開になってましたので、復活させました。

大手メディアでは続報があまり出てないですが、あれから数日経つのに、広東省ではなお豪雨と嵐、雷、雹が続いてます。

 

 

これは怖いわ。また楽しそうな声を出しているのがいっぱいいて、楽しいなら心配は不要。

広州市市内でも大きな雹が降りました。場所にもよるでしょうが、中国ではゴルフボール大の雹が落ちてくるのは昔からそんなに珍しいことではないそうです。どこからどう生まれた言い伝えかわからないですが、きれいに凍った雹をなめると頭が良くなると言われていて、子どもたちはこぞって、きれいな雹を探してはなめるそうです。私も今度雹が降ったらなめます。

この動画には収録されてないですが、自動車の中に雨漏りして、運転手が雨を受け止める容器を片手に運転している映像が出回ってます。雹の被害かもしれないけれど、安普請の中国EV車だと、大雨で雨漏りしそうです。

中国の中央気象台は、今月いっぱい続くと言ってましたが、来月までずれ込むとの説も出ています。24時間、これが続いているわけではないにせよ、孤立している人たちの救助は困難を極めます。

中国産バッテリーが中国を焼き尽くす—中国経済を追い詰める洪水とEV・EB」を書いた段階では死者3名だったのが、そのすぐ後で4名になり、その後は増えてません。どうせ中国ですから、広東省政府は数字をごまかしてましょうが、遺体の回収さえできない状態の可能性もありそうです。

✳︎2024年4月24日付「中国环境

 

 

これから長江流域が悲惨なことになりそう

 

vivanon_sentenceあと数日で広東省の豪雨、嵐、雷、雹、洪水は終わるとしても、その後が待ってます。

中国国家気候センターの首席予報官、鄭志海氏はこう言ってます。

 

「今年の洪水期の中国全体の気候状況は異常事態となっており、異常気象や気象現象が増えており、東部モンスーン地域では干ばつよりも洪水の方が一般的に多く、地域的かつ周期的に洪水災害が発生している」

「長江流域の中下流域、淮河流域、南部の太湖流域では、降水量が例年に比べて大幅に増加するだろう。一方、松花江流域や北部の黄河流域の中下流域でも降水量が多くなり、事前に洪水に備えることが推奨される」

——2024年4月24日付「中国环境」より

 

以前から亀裂や歪みが指摘されていた長江の三峡ダムの崩壊を避けるための放水が、下流域での洪水を招くことは必須です。

昨年の洪水がまた今年も再現されるだけでなく、昨年より大きな洪水が長江流域を襲うことになりそうです。都市部を守るために、小さな町村が洪水に沈みます。

 

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