ブレックス 渡邉裕規「2位で何も誇れることなんてないから」(インタビュー・前編)
ワールドカップ予選の興奮も冷めやらぬ中、今週末からはリーグ戦が再開される。シーズン終盤の大事な20試合を戦う前に、どうしても聞いてみたいことがあった。
(写真はイメージです。撮影:山田壮司)
1月13日の天皇杯決勝。ブレックスは優勝まであと一歩のところで敗れ、クラブ史上初の天皇杯制覇は叶わなかった。
この結果を受けて悔しさを感じるのと同時に、ケガ人が多い中でこれまで頑張ってきた選手たちに「勝たせてあげたかった」と思ったのが、正直な感想だった。実際、これまでチームを支えてきた選手たちは、この敗戦をどう受け止めたのだろう。
そう思っていた矢先、2月3日の千葉ジェッツ戦のタイムアウト中に安齋竜三HCが檄を飛ばすシーンが話題になった。以前の原稿で書いた通り、安齋HCは覚悟を持ってそうしたわけだが、それを受けた側の選手は、どのように感じたのだろうか。
そうした疑問をぶつけるなら、やはりこの選手しかいない! ということで、渡邉裕規選手にその辺のことをざっくばらんに聞いてみた。(文:藤井洋子)
先を見据えて踏ん張れた
―シーズン中盤の試合の中でも、特に印象深いのは千葉ジェッツ(2月2日、3日)戦だと思います。あの2試合を振り返っていただけますか。
今まで千葉に負けた試合というのは、自分たちで自分たちの首を絞めてしまうことが多かったなと思います。リードしているのに追いつかれて逆転されちゃうとか、途中で追い付ける展開だったのに、最初のビハインドが…とか。
あの連戦は、2日目に勝ったことで(レギュラーシーズンだけを見ると)対戦成績も2勝2敗にすることができたし、最終的には順位も上回らなければいけない相手で、もしイーブンになった時には得失点も関係してくるので、どうしても落とせない試合でした。だから1勝できたのは良かったです。勝った試合は点差も付けられたし、先を見据えた上では踏ん張れたと思います。
―1日目の敗戦を受けて、安齋竜三HC(ヘッドコーチ)は、自身が編集したビデオクリップを選手たちに観せたそうですね。安齋HCは、「そこでかなりきつい事を言った」と話していましたが、渡邉選手はどう感じましたか。
前日に負けているので、HCが怒るのも分かります。「こんな試合をしていたら勝てないよ」ということでビデオクリップを観せてくれたと思うので、当然一人一人への厳しい指摘はありました。けど、そういうことはこれまでにも何度もあったので、特別きつい事を言われたという感覚はなかったですね。
―2試合目で安齋HCの檄が飛んだ時、田臥勇太選手と渡邉選手が周りの選手に声を掛けていましたよね。あの時はどういう状況だったのですか。
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