バスケットボール・クラッチ

佐々宜央HC「ファンと選手たちがいる限り、『BREX MENTALITY』は潰れない」(インタビュー)

宇都宮ブレックス 佐々宜央ヘッドコーチ

 

現在、発売されているSPRIDE特別号に掲載しきれなかった、佐々宜央ヘッドコーチ(HC)による2022-23シーズンの振り返りインタビューです。優勝チームを率いていく中で感じたこと、背負っていたもの…。それらをどのようにしてモチベーションに変えていったのかを赤裸々に話してくれました。ぜひ、じっくりとご覧ください(文:藤井洋子/写真:山田壮司)

 

2022-23シーズンは、なかなか連勝することが難しいシーズンとなりました。あらためて振り返って感想をいただけますか。

シーズン序盤で外国籍選手のコンディション不良があったことが、まず一つ、大きく影響したかなと思っています。トータルで30試合程度は外国籍選手が一人欠けた状態で戦わなければならず、また、途中から加入した選手もいて、チームケミストリーをつくり上げるのに時間が掛かってしまいました。チャンピオンシップ(CS)に行くことができずに残念ではありますが、終盤には選手たちがプライドを見せてくれました。最高の終わり方ではないけれど、踏みとどまったなという気持ちです。

 

—以前の取材では、「やっと全員の選手がそろった17日、8日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦からシーズンがスタートしたような印象」と話されていましたが、その後、チームが変わってきたなと感じられたのは、いつ頃だったのですか。

良くなっていく兆しが見えたのは、三遠ネオフェニックス戦(325日、26日)くらいからです。その前節の秋田ノーザンハピネッツ戦(322日)では、試合序盤に20点くらい差を付けられたのですが、そこからどうやって巻き返していくのかという部分でいろいろと試行錯誤して最後には勝つことができた、僕の中ではすごく思い出深い試合になりました。

ところが、その移動中にジョシュ・スコットが腰を痛めてしまい、その週末の三遠戦には出場できませんでした。そうした中でも、土曜日の試合は圧勝して勝ち、日曜日は負けてしまいましたが試合の流れが良くて「雰囲気が変わってきたな」と感じることができました。ジョシュが欠場したことで、逆にグラント・ジェレットの役割がグッと上がってきた。それがこの試合からでした。

 

—そこからは、あまり大きな波はなく、最後までいけたのでしょうか。

いえ、そこからまた難しい状況になりました。45日のアルバルク東京との試合でジョシュが戻れることになったのでスタートに戻したところ、組み合わせがうまくいかなくて大敗してしまいました。相手は、ケガ人が多くでていて、まったくメンバーがそろっていなかったのですが、うちは全然うまく回らず。その、うまくいっていない状況で48日、9日の茨城ロボッツ戦を迎えました。この試合は、ジョシュが途中でプレーできない状況になり、結局2連敗となりました。

そこから大きく上がったのが、415日、16日の群馬クレイサンダーズ戦です。15日の試合は負けてしまったのですが、16日は圧勝することができましたし、その試合から6連勝を挙げることができました。

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