「お父さんにお世話になった」福岡第一高・井手口孝監督と桶谷大HCの深い関係性 キングスの天皇杯優勝を祝福
全国の強豪校を招いた「第21回沖縄市長杯高校バスケットボールおきなわカップ2025・第3回琉球ダイハツカップ」は3月22日、沖縄市体育館で開幕した。
今年も昨年末のウインターカップで4強入りした福岡第一(福岡)と東山(京都)を筆頭に、藤枝明誠(静岡)や柳ヶ浦(大分)といった全国常連校が沖縄に集結。地元からは県代表の沖縄水産、沖縄市代表のコザが出場している。
初日から大きな存在感を放ったのは福岡第一だ。初戦でが藤枝明誠を73ー64で退けた。
大会内容とは異なるが、試合後のインタビューで井手口孝監督に気になっていた事を聞いてみた。琉球ゴールデンキングスの桶谷大HCとの関係性についてである。
というのも、キングスが第100回天皇杯全日本選手権で初優勝(決勝は3月15日)を遂げ、3月17日に沖縄市役所で開かれた記者会見で桶谷HCが「井手口先生も『九州に天皇杯が来るということは本当にすごいことなんだよ』と教えてくれました。天皇杯はとても歴史がある大会だし、そういう素晴らしい人たちにとっても大切な大会だったんだと改めて思いました」と語っていたのだ。
高校とプロリーグでカテゴリーこそ違えど、国内トップクラスで優れた実績を残してきた指揮官同士、信頼関係があることが伺えた。井手口監督への一問一答をお届けする。(文・写真 長嶺真輝)
沖縄・九州に渡った天皇杯 キングスの応援に驚き
天皇杯を手に写真撮影する琉球ゴールデンキングスの桶谷大HC(左から2番目)ら=3月15日、沖縄市役所
ー先日の会見で、桶谷HCが井手口監督も祝福してくれたと語っていました。先生から連絡されたんですか?
「全国理事長会議でみんなで(天皇杯決勝に)行くことになっていたので、(桶谷HCに)『行くよ』って連絡してたんですよ。ただ、琉球はアジアの大会(EASL)が終わった後で、その次の試合も負けていたので、ちょっと状態が良くなかったでしょう」
ーはい。天皇杯決勝前はなかなか厳しい状況でした。
「桶ちゃんからも『決めきれないんですよ』ってきてました。でも、僕は『何とかするでしょう。あなたなら』と言っていたんです。それで、決勝には桶ちゃんと僕の共通の友人も来ていたので、試合が終わった後の当日に合流したんです。その時に話をしました」
ー改めて、天皇杯が沖縄・九州に来たことはどのように感じていますか?
「おそらく九州では初めてでしょう。僕ももしかしたら昭和初期とか昔にあったのかなと思ったけど、それもないですよね。100回目にして初めて九州に来るというのは、うれしいことです」
ーそれだけ日本バスケの裾野が広がってきたということでしょうか?
「そうですよね。沖縄という小さいアイランドから、琉球の応援をするためにあれだけの人数が会場に来る。あんなに白(キングスのチームカラーの一つ)がいっぱいいると思わなかったですよ」
ー桶谷HCとの付き合いは長いんですか?
「僕は彼のお父さんにお世話になったんですよ」
ー桶谷HCのお父さんは京都の山城高校で監督を務められていましたよね。
「当時は僕が駆け出しの頃で、かわいがっていただいたんです。桶ちゃんがbjリーグのヘッドコーチになる時も、初めは大分ヒートデビルズで九州だったから『頼むね』という感じで。長い付き合いなんです』
ーいいお話が聞けました。ありがとうございました。