ヴェルヴェット・アンダーグラウンド 『ニュー・エイジ』 ・・・今は分からなくたって、20年、30年と経っていくと、そういうことだったのかというのが分かると思うのです(久保憲司)
シリーズ「ロック、本当はこんなこと歌っているんですよ」の「キャンディ・セイズ 2」でロック史上初のオタク・ソング、もしくはジョン・レノンの殺害を予言したような不吉なナンバー「ニュー・エイジ」がどんなことを歌っているか書きますと書いたので、「ニュー・エイジ」がどんな曲か書きますと書いたのですが、何と「ロック、本当はこんなこと歌っているのです」の「サテライト・オブ・ラブ」の所で書いてました。もうすこし詳しく書きますか、読んだぞって人は今回は飛ばしてください。すいません。
しかし「ニュー・エイジ」ってかっこいいタイトルですよね。今の人たちは新人類とか気にしないんでしょうか? デヴィッド・ボウイは『2001年宇宙の旅』やアーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』に触発されて「スターマン」なんて曲を書きました。「スターマン」は『ジギー・スターダスト』を作った時にレコード会社から「シングル曲がないから、このアルバムは出せないよ」と言われて急遽作った曲なのでたいしたこと歌ってないと思いますが、僕が子供の頃は「スターマン」を聴いていつか僕たちは新しい人類になるんだという妄想にかられてました。
スタンリー・キューブリックは『シャイニング』の時には、魂やあの世みたいなものを信じるスティーブ・キングを「君は魂とか、あの世みたいなものを信じるんだ。ふーん、そうなんだ」と言って、ガチャとバカにするように電話を切ったそうですが、『2001年宇宙の旅』の頃はまだスターチャイルドのように人間は進化するんだということを信じていたということですかね? 僕が子供の頃はそういう時代だったのです。
そんな時代だったので、僕らの子供の頃は新人類というのが流行りました。新しい人種は旧世代からトンガリ・キッズとか言われていました。
秋元康が親玉で、彼のプロデュースの元、中森明夫、野々村文宏、田口賢司が新人類3羽カラスと言われていたのです。あの秋元さんがアイドルじゃなくアカデミックをやっていたのって笑うしょ。80年初頭はアイドルよりもアカデミックの方がイケて(金になって)たんです。アイドルの世界はまだ敷居が高く入れなかっただけですか。
平岡正明の「マリリン・モンローはプロパガンダである」「山口百恵は菩薩である」の流れですよね。まだ世の中はマルクスが強かった時代です。1979年ですけどね。今はアカデミックとアイドルの逆転現象が起こったわけですよ。キョン・キョンの時は対等ですかね。世の中から政治はダサいものとなっていったわけです。
このWEBマガジンにもよく登場する河原崎さんという人が、野々村文宏に「新人類三人も歳をとったら普通のおっさんだよな」と言ってブチ切れられてました。世の中って変わっていくもんなのに、よくそんなことを言うな、さすが河原崎さんだなと思いました。
河原崎さんというのは飲尿法を広めた一派の一人で、昔は神秘主義もまだまだ元気だったのです。
飲尿法を広めた一人に松沢呉一と言うのがいて、この人が反原発というか、広瀬隆を広めていきました。本人は忘れてますが、彼が忌野清志郎さんに広瀬隆の本を送って(いろんなロック・ミュージシャンに本を自分で買って送った)清志郎さんがそれを読んでこれは大変だということになったのです。84年から88年というのはそういう時代でした。反核から飲尿、そしてホーミーに流れていきました。ホーミーはそんなに流行らなかったですね。僕はホーミーで日本の敗戦から始まった日本のカウンター・カルチャーは落ち着いたんだと思います。
河原崎さんはいとうせいこうさんに久々にあった時「いとうさん、飲んでますか?」と聞いて、「馬鹿野郎」と怒られてました。河原崎さんは世の中が変わるというの分からない人みたいです。川原崎さんはもちろんいまだに飲んでます。ちなみに僕の自慢は回りが全員飲めと薦めてくるのですが、絶対に飲まなかったです。
今のサブカルの流れはイラク戦争反対のサウンド・デモから始まるんだと思います。で、アメリカの北朝鮮と戦争再開に対する運動はそれほど盛り上がらないというのが今の時代なのかなと。いや、こんなことじゃいけないですよね。みなさん、がんばりましょう。僕は金融政策をちゃんとする政党をやりたいです。と思って3年間が過ぎてしまいました。
なかなかニュー・エイジって誕生しないですね。そんなもんですか。ルー・リードの「ニュー・エイジ」がどういうことを歌っているかというと、
「サイン貰えないでしょうか」と彼は太った金髪の女優に言った。
「あなたの出ている映画は全部見たんですよ。」
「あなたがロバート・ミッチャムにキスした時、
全てを差し出しているようでしたけど、
きっとあなたは彼を手に入れることは出来ないだろうなと思いましたよ」
余計なお世話ですよね。
ルー・リードは彼女が出ている映画を歌詞に書いてますが、ルー・リードの創作みたいで、太った金髪の女性が誰なのか分からなかったです。でも、この厚かましさと、映画の主人公じゃなく、脇役の女性に興味を示し、その彼女が出ている映画を全て見るなんて、まさに川本三郎イズム、映画秘宝ですよね。
そして彼はこう歌うですよ。
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tags: David Bowie Lou Reed The Velvet Underground 平岡正明 松沢呉一 野々村文宏
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